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その三十九 ページ42

「私から、説明するわ」

 「……怖いのなら話さなくても良いからなァ、Aにそんな思いをさせるくらいなら、とっとと此奴を始末した方が良い。」

 「っそんな、不死川様!」

 「うるせえ、黙ってろ。」




 だぁーい好きな不死川にそう言われては黙ってるしかないわよね。私は涙をうるうる、と溜めながら、恐怖を帯びたようなそんな小さく震えている声で、今さっき起きたことを話した。

 あら、嘘の話なんてしてないわよ?
 ま、所々ちょっとずつ盛ってるところはあるけどね♡


 合間合間に嗚咽を交えながら話す。
 途中盛った箇所にて「そんなこと言ってない!」とか不細工が口を挟むたびにひくり、と小さく肩を震わしながら、私は全てを話し終えた。

 そうそう、優しい私はあのことについても話したの。実は前追い出した不細工の先輩はちゃんと仕事をしていて、全てこの不細工がでっち上げたことなのだということ、でも、その先輩は私のことを冷たく何処か見下しているような目で睨み付けていたこと、ざっとここら辺を話してあげた。
 やーん、私ったら超優しい〜!



 実弥さんはそのことに少しだけ驚いたように目を見開く。其奴だけ戻すか的なことを言い出したらどうしましょ、と考えていたんだけど、実弥さんは何も言わず、ただぎゅっと強く私を抱き締めた。




 「もうAを危険な目に合わせたくねぇ。Aには誰も近づけさせねえよ、特に、女はな。」

 「実弥さん……!」




 んふふ、全てが思い通りに進んだわ。
 あとは実弥さんがこの不細工を追い出して、ついでにあのセンパイにも伝えて……え、何をって?

 「貴女の居場所はもう無いのよ」って声高らかに宣言してやるつもりよ。うんうん、ちゃんと伝えておかないとね、間違ってお屋敷に入られたら困ったものだし、連絡って大事よね!




 「お待ち下さい不死川様!何故その鬼を信じるのですか!不死川さま、不死川様!」

 「誰を信じるか信じないから俺が決める。どっちに非があるのかを決めるのも俺だ、てめえが指図するんじゃねえ。」




 不細工は、ひどく顔を歪めた。

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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時

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