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その十 ページ12

「初めまして、A。」





 幼子二人に手を引かれながら現れた男。その男から発せられた声は、なんだか心をふわふわとさせる、不思議なものだった。

 無惨様から発せられる声とは違う……なんだろう、自然と従いたくなっちゃうような。不思議と嘘がつけなくなるような、そんな声。
 勿論、私は無惨様にちゃんと従うし、嘘だってつかないわ。



 この男、何か嫌だわ。
 気付いたら本音をポロっ、と喋ってしまいそう。長時間この男と話すのは危険だわ、もしかしたら、無惨様や上弦の皆のことを、話してしまうかもしれない。





 「実弥からの報告によると、君は好んで人間を食べたことはないんだね?」
 「……私、人なんて食べたくない。人間が食べる美味しそうなお料理を食べたいし、甘味だって食べたいの。」





 「でも……」と、そこまで言ってから、お得意の嘘の涙をポロポロと流す。男という生き物は、女の涙に弱いものなのよ。

 以前、といっても私が鬼になったばかりのことだから、百年以上前のことになるわね、鬼になったばかりの私は、今では考えられないことだけれど、大失敗をしてしまったの。
 その時、無惨様は大変お怒りになったわ。このままだと殺されちゃう、そんな恐怖から、私はどんな状況かも忘れて、子供みたいにわんわん泣いたわ。

 するとどうかしら、無惨様から怒りが消え、あろうことか大声で泣く私を見てオロオロし始めたの。





 「どうしたのだ、何処か痛むのか。」
 「怖がらせてしまったのか。」
 「すまない、泣かせるつもりは無かったのだ。」
 「どうしたら泣き止む?」
 「そうだ、私の血をやろう。特別にだぞ。」





 あの無惨様が私の涙で慌てていたのよ。

 つまり、私の涙、泣き顔は最強ということになるの。産屋敷耀哉は、ポロポロと泣く私を見て、





 「辛かったね。鬼にさせられてしまったが為に、嫌なことを無理矢理にでもさせられてしまう。」
 「我慢し続けたこともあったの……。でも、強引に口に突っ込まれて……!」





 そんな事一回もないのだけれど。

 ありもしない過去の話を、あたかも本当にあったかのように話す。私の話術、中々のものじゃない?

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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時

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