その四十四 ページ47
「は、なに彼奴…」
ていうか、あの女あんな顔だったかしら。元から不細工なのは知ってるけど、前以上に酷い顔になってるじゃない。
手には包丁を持っているけれど、あれで私を刺すつもりなのかしら…?見た感じは普通の包丁って感じだけれど、流石に彼奴も鬼が普通の刃物では斬れないことは知ってるでしょ、きっと何か細工は仕掛けている筈。注意しないと。
「アンタ、早く逃げなさい!」
「は? ボロボロの貴女に言われたくないんだけど」
背中からだらだらと血を流し顔を真っ青にしながら私に逃げるよう叫んでいるのは、私がついさっきまで陥れようとしていた女。
なに此奴、何で私のこと逃がそうとしてるのよ。
「私知ってるのよォ! 水曜日のこの時間は、必ず不死川様は任務で、屋敷にはお前しかいないこと!」
「……なるほど、不死川が俺に護衛を頼んだのは、お前の様な者が居たからか。」
「ッ!?」
「冨岡さん!」
ザッ、と私たちの前に現れた冨岡義勇。この男が来たならあの不細工への注意は要らない。そう判断した私は、自分の着物をびりっと大胆に破いて、倒れている女の傷口に巻きつけながら、応急の止血をした。
「冨岡さん……、」
「早く其奴の手当を。ここは俺が引き受ける。」
「はい!」
不細工を冨岡に任せて(きっと秒で終わる)、私は、傷口が広がらない様に気をつけながら女を抱き上げた。
いくら力はないって言ったって人間一人持ち上げるくらいは余裕なんだからね!
「何で、冨岡様がここに……」
「もう貴女黙ってなさい、傷が広がるわよ。私に抱かれるなんて光栄なことなんだから、黙って喜びに浸りなさい。」
「(……本当に一言余計なんだから)」
取り敢えず私の部屋に入り、女を布団に寝かせる。押し入れから薬やら包帯やらが入っている救急箱を取り出して、早速手当を始めた。
布団に寝かせた時には既に気は失っていて、女は動くことがなかった。
「……なんか、調子狂っちゃうわ。」
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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時