やり直せるなら(ブラック) ページ1
桜は、散るが定めと知っていながら――尚も美しく咲き誇る。
背徳的なまでの気高さと、僅かな憂いを花弁に乗せて、風に匂いを着けていく。
これは、そんな黒い彼のお話だ。
『やり直せるなら』
黒い彼は、薄く輝く桜の色と良く似合う。
今も大きな桜の幹に凭れるように本を読んでいた。
靡かれた漆黒の髪が、風に揺られていて――思わず凝視してしまった。
｢ブラック。今日もいたのね｣
先ほどまでブラックと呼ばれた黒い彼を凝視していた一人の少女が、そっと笑いながら近付いてきた。
ブラックは本からゆっくりと目を離し、少女に向かって柔らかく微笑み返す。
冷静で目付きの鋭い彼が優しく笑うと、本当に様になっていて心が踊るような気分に少女は陥る。
｢A、また来たのか｣
｢今日はね。ふふふ。貴方がいる気がしたからよ｣
そう少女・Aはその場で楽しげに回ると、ブラックの横に腰掛けた。
彼の匂いが鼻に届く。まるで桜のような妖艶な薫りだった。
｢(何故、男性なのに私より魅力的なのかしら？)｣
なんて、Aは頭を傾げる。
咲き誇る桜を見上げながら、寡黙を貫くブラックの横顔。
幹に寄り掛かって座りながら、方膝だけを立たせてそこに腕を乗せる仕草。
地面に力無く垂れるもう一方の手には、先ほどまで読んでいたであろう小難しい本。
全てが彼を物語るようで、とても心が踊った。
｢ねえ、どうしていつもここに来るの？｣――Aが首を可愛らしく傾げながらブラックに問い掛けた。純粋な気持ちから、それを知りたいと思ったのだ。
そんなAの言葉に、ブラックは小さく笑って…また空を見上げる。
｢美しいこの場所が、好きだから…かな｣
｢そうなんだ。ブラックって、ちょっと桜っぽいもんね｣
｢そうだろうか？｣
それだけAは告げて、ブラックと同じように空を見上げた。
見上げた青空には、桜が咲いている。
何れは散ると知りながら、何故、こうも美しいのか。
｢私と桜が似ている…か｣
｢バラっぽくもあるわ｣
｢ふふ、薔薇か｣
ブラックは可笑しそうに笑う。こんなブラックの顔は初めてで、Aも少し嬉しくなった。
｢野望は潰えたが｣――ブラックが突然そう声を出す。
｢人間を知るには、良い機会だったのかもしれない｣
｢人間きらい？｣
｢ああ。好きじゃないな｣
ただ、とブラックは本を横に置く。
そしてAの頭に乗っかった花弁を軽く叩いた。
｢これから、好きになろうと思う。
…私の好きな、桜に似た君よ｣
"一日に、千里の道を行くよりも。君と一里を行くが楽しき"…なんてね？
神様ポッキーゲーム！？(ザマス＋ビルス＋アナト＋ロウ) ☆レイ様リクエスト→
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かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - シャルアさん» ありがとうございます！！駄作者は、10月の中旬に受験があります。今から出来ることをやり抜きたく思ってます(^o^)問題は合格した後の独り暮らしとか言えない(笑)▼シャルア様なら大丈夫ですよ！画面の向こうからですが、全力で応援しています！ (2017年9月24日 21時) (携帯から) (
レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
シャルア(プロフ) - 私も受験です。受験頑張ってください！！きっと大丈夫です！！私は一期無理と即答されましたが！ (2017年9月24日 20時) (レス) id: c6ec30f591 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - レイさん» 足良く当作品に来てくださってありがとうございます！！受験日も間近に迫ってきて、リアルはなかなかドタバタしておりますが、時間を見付けて更新を続けれたらなと考えてます！親切なコメントありがとうございました！胸が熱くなるようです。 (2017年9月21日 20時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 森田菜々子さん» ありがとうございます！良ければこれからも、あちらの日替わりを宜しくお願いしますね！！ (2017年9月21日 20時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 更新来てたー！かぁびぃさんて受験生だったんですね。忙しい中、更新ご苦労様です。これからも応援してます！勉強頑張ってください！ (2017年9月21日 20時) (レス) id: a426b25ce4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2017年9月8日 16時
