ちょっぴり悲しい夜 土方side ページ11
とある、夜。
仕上げた書類を持って部屋に戻ろうとすると・・・
「うェェエエん!
おとうしゃああああんっ!」
突如背後にしがみつく何か。
「ぎいやああ……ってA!?
お前、もう寝てるはずじゃ・・・」
そう言いかけて、
Aが泣きじゃくっていることに気付く。
「オイ、どうした?
何かあったか?」
「あ、あのね。
怖い夢みたのっ・・・」
「怖い夢?」
一瞬で気ィ抜けた。
何かあったわけじゃなかったのか。
そんな安心もつかの間、
「・・・おとうしゃんもね、
おにいちゃんもね、おじいちゃんもけらいも、
みんないないの。」
「あ・・・?」
「なんかいよんでもね、
みんな、みんな、いないの。
・・・・だれもいなくなって・・・
こわかった・・」
安堵の息はすぐに消えた。
こいつの本当の親は事故で死んでいる。
引き取り手がなかったため、仕方なくの体で真選組に来たが
…ここは本来死と隣り合わせな場所だ。
いつ誰がいなくなってもおかしくねェ。
幼いながらにそれを感じているのかいないのか。
「ねえ、おとーしゃん・・
だいじょぶだよね?」
恐怖を全部吐き出した安心感からか、
うつらうつらしだしたAを抱き上げる。
「・・・・ああ。」
ギュッと隊服をつかまれて。
「おとしゃんもみんなも、
ずっと、いるよ・・・ね?」
この言葉とともに寝息を立てだしたAの髪をなでて。
「ああ。いるぜ。」
「―――ー・・・テメ―みてェな
おてんばな娘持って誰がいなくなるかよ・・−―――」
なんて、
少しシリアスな夜の話。
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八重 - めちゃくちゃ泣きました。この作品大好きです (2020年5月23日 14時) (レス) id: 71b472d59a (このIDを非表示/違反報告)
エリー - 番外編もけっさくでした続きも見たいです(*^_^*)応援してます!! (2018年10月25日 20時) (レス) id: 27f1b17986 (このIDを非表示/違反報告)
エリー - 私真選組大好きなのでとても泣けました (2018年10月25日 19時) (レス) id: 27f1b17986 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使ケチャ・ラー - おおおお面白い!神だ! (2016年12月26日 22時) (レス) id: 0d534beb94 (このIDを非表示/違反報告)
りな - これはスゴい...もう名作ですよ!!番外編も見ました!出来れば続き見たいです(>_<)応援してます!!頑張ってください!!!! (2016年11月19日 8時) (レス) id: 6a0834a17b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピアス | 作成日時:2014年6月14日 9時