君が不幸になりますように【東リベ】

8話　 ページ8

「俺女の子の部屋入ったの初めてです…」


「あれ？彼女もないの？」


「え？彼女いること言いましたっけ？」




ソワソワする武道と目があい、さっと目を背ける


ココに調べてもらったなんて言えない…




「なんとなくいるのかなって！」



苦し紛れに答える私に、武道はなんだっと笑ってジュースに手をつけた


幸い私の家は神社に近く、夜の集会まで3時間も時間がある



どこから話せばいいのか…

ていうか信じていいんだよね？




「前も思ってたけど、Aさんってピアス多いですよね
　かっけぇッス！」




あそこにもたくさんっと言って棚を指差す視線の先には、開けたピアッサーの箱が山になっていた



そういや捨てるの忘れてたな




「本当は痛いの嫌いなんだけどね」


「え？じゃーなんで…」


「これは決意表明」




場地との約束を忘れないように

タイムリープを覚えておくように


痛みとは、時に自分を奮い立たせる



オシャレで開けたピアスは今では意味のあるものとなった




「この傷…」


「これはドラケン君がピンチの時があって…
　ナイフ刺さったんですけど、今はもう何ともないです」


「じゃあ武道はドラケンにとって…いやマイキーだけじゃなく東卍にとってヒーローだね」



ドラケンがピンチってことは8.3抗争か

ドラケンが生きてる未来に変えたのはやっぱり武道なんだね




「来て、見せたいものがある」



傷がある武道の手をとって、別室のドアを開ける

そこには、私が調べた情報がたくさんあって


もちろん武道についての資料も置いてあった




「こ、これ…稀咲追ってるんですか？
　俺のことまで調べて…」


「10/31の抗争で場地は死 ぬ…稀咲の思惑通りね
　その為に私はタイムリープをしてたんだけど、今まで登場しなかった武道が何故か今回登場してるのよ」


「た、タイムリープ…？！」



8.3抗争が終わった後の軸からしか戻れないこと

ドラケンを救った武道に期待していること



そして私が、タイムリープをしている理由

施設育ちで友達がいない私と場地の出会い

マイキーと東卍メンバーとの出会い



全てを資料と共に話すと武道は涙を溜めた





「施設育ちで里親見つかったけど上手くいかなくて、今は1人なんだけど…って！！武道？！」


「お、俺…俺もタイムリープしてるから…！！
　好きな人が死 ぬ辛さは…ｯ知っててぇ…」





「やっぱりタイムリーパーだったか」




頼りにしてるよ、泣き虫のヒーロー

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