君が不幸になりますように【東リベ】

19話　武道side ページ19

「今でもAだけは助けられたんじゃねーかって考えちまうな」


「ドラケンくん…」




タイムリープしてドラケンくんから場地くんの話を聞いた後、"最後に一つだけ"とAさんの名前を出す


やっぱりAさんの話通り11/3に自 殺をしており、場地くんを追ったのだろうとその時のことを話してくれた




「墓参りには行ってるのか？」


「あ、場所忘れちゃって…」


「はぁ？佐野家の墓には何回か一緒に行ったろ」


「ん？佐野家？？」



今ドラケンくん佐野って言った？？

確かAさんの苗字は、



「一宮ですよね？Aさんの苗字」


「一宮だけど…葬式の時に聞いたじゃねぇか
　Aはマイキーの実の姉だって」


「え、え？？…ってえええええ？！」


「お前もその場にいたろ
　何で初めて聞いたみたいな反応すんだよ？」





は、え？？

Aさんって確か親に捨てられて施設で育ったって言ってたよな？！


確かに顔とか雰囲気似てる気するけどさ…！！



「そ、それってAさん知らずに…？」


「早く伝えてたら未来は変えられたのかもな
　…いや、あいつなら家族よりも場地を優先するか」


「それってマイキーくんしか知らなかったんですか？」


「マイキーと場地だけだな。エマも知らなかったし」


幼馴染だから許してるのかと思ってたけど、姉だったらそりゃ許すよな



そう笑って話すドラケンくんは、何度か場地くんに遠慮しろとマイキーくんに注意したらしい

俺はいいの一点張りだったマイキーくんと、その状況を見ても何も言わない場地くんに余裕のある奴だなと少し尊敬していたんだとか




「そうか…やっぱりAさんは11/3以降は生きてないのか」


「佐野万次郎の姉が鍵でも握っていたんですか？」


「直人！！とりあえずAさんの情報を調べてくれ！！」



ドラケンくんとの面会を後にした俺たちは、Aさんの戸籍などを確認し、佐野家であったことやお墓の位置を特定した


そして今、佐野家と書かれたお墓の前で俺たちは手を合わせている



「このお墓の横に書かれてる一宮…じゃなくて佐野Aさん。俺と同じタイムリーパーなんだ」


「え、…はぁ？！佐野万次郎の姉が過去にタイムリープしてるってことですか？！」


「Aさんは敵じゃない。場地くんの死を止めようと8回もやり直してる。でもな直人！Aさんは俺たちみたいに握手はしないんだ」



彼女はいつも、たった1人で頑張ってるんだ

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