検索窓
今日:18 hit、昨日:9 hit、合計:130,092 hit

その37 ページ38

「じゃあ今日僕が持ってきた機材を使ってみようか」



類先輩の指示で、私たちは教室から中庭へとよく分からない機材を運んでいた


そう、その時だ




「あ、」


「やば」



冬弥と彰人が廊下を歩いているところに遭遇した


瞬間に私は回れ右をして知らんぷりをする



「おい」


「えっと…どちら様でしょうか?」



彰人に言い寄られるもの、私はせこせこと機材を運ぶ


やばいやばい

今会うのはタイミング悪すぎるって!!




「先に白石達と合流してるな」


「冬弥?!…味方だと思ってたのに!!」



彰人を置いて去ってしまった冬弥に視線を送るも、全く目が合わなかった



味方1人もいないじゃん…ひぇ


私はごくりと唾飲み彰人の言葉を待つ




「俺何かしたか?」


「は?」



「だから!避けられるようなことしたかって」


「ううん、私が考え事してるだけだよ」




彰人の言葉にううんと首を振ると顔を覗きこんできた


恥ずかしくて顔を背けるもじっとこちらを見てくる彰人




その視線に耐えきれず、私はそっと口にした




「前…一緒にいた子」


「は?」



「前のクレープの子!!」




考えながら話す私とは裏腹に、彰人はあぁっと淡々と話し出した



「絵名のことか?あいつがなんだよ」


「約束してたならその絵名?ちゃんって子の所に最初から行けばいいのに…」



「あいつはいつでもスケジュール合うからいいだろ」


「そんな仲なら尚更…ッ!」


「なんだよ、俺は姉貴に気を使うほど器用じゃねぇぞ」



「え?」



あ、姉貴?

私今聞き間違えでもした??



「姉貴って…?」


「まぁ俺たちはあんまり似てねぇからな
 そういえば絵名がお前のこと紹介しろって言ってたわ」



思い出したように淡々と話す彰人に、私はぽかんと口を開く


姉貴?…あの可愛い子が姉貴なの??



「姉貴かよッ!!」


「何怒ってんだよ」



彰人に背を向けて自分自身にツッコミをいれる


私はずっとお姉さんに嫉妬してたの?!


恥ずかしすぎる…




「それならそうと早く言いなさいよね!」


「なんでちょっと嬉しそうなんだのよ」



誤解だと分かれば話は早い

にやける口角を隠さずに堂々と彰人を指差す



「罰としてこの機材運ぶの手伝いなさい!」


「なんなんだよお前」




ちらちらとわたしの機嫌を伺いながら、訳の分からない機材に手を出す彰人



そんな彰人に私はあらぬ期待をかけてしまった

その38→←その36



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (182 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
423人がお気に入り
設定タグ:プロセカ , 東雲彰人
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

餃子(プロフ) - すみません通知溜まってるし第一章は終わっているので全く見てませんでした、、、コメント見て表現は編集したのでまた読みにくかったら言ってください (2022年3月16日 14時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
八戸 - 確かに汗とかないほうが読みやすいかもです…。()つけてみるのもありかもです! (2022年3月15日 21時) (レス) @page2 id: 31c5d0f724 (このIDを非表示/違反報告)
Y(プロフ) - 汗とか怒とかの感情書かない方が正直読みやすいです… (2022年2月28日 2時) (レス) @page16 id: 6135a2eb1f (このIDを非表示/違反報告)
餃子(プロフ) - リオットさん» とってもコメント遅くなって申し訳ありません、、!!コメント嬉しいです(^^)頑張ります! (2022年1月4日 16時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
リオット - 凄く好きな小説でした。ありがとうございます。更新頑張ってください。 (2021年12月10日 22時) (レス) @page44 id: 5c3b65f0f4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:餃子 | 作成日時:2021年8月22日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。