先輩がいい ページ37
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「 ん … 」
ゆっくりと目を開ける。
いつのまに眠っていたのだろう、ゆったりと動く電車に揺られる感覚はとても心地良くて授業で疲れた私はすぐに睡魔に襲われていた。
「 目、覚めたかよ 」
声のする方に視線をやると、すぐそこには先輩。
「 って、す、す、すみません！！！！！ 」
どうやら先輩の肩に頭を置いて寝ていたみたいだった
それに先ほど私が大事に抱えていたケーキの小箱も
持っていてくれた。
「 人の肩でずいぶん気持ちよさそうに寝やがって 」
「 実は快眠でした … 」
「 間抜けズラが見れたからいいわ 」
そう言う先輩の顔はちょっと意地悪な顔をしていて。
私は先輩のこの表情が好きだった。
どこか大人びている先輩が見せる年相応の、
少年らしい笑顔。
「 … もう少し、」
「 あ？ 」
「 このままでいてもいいです、か？ 」
じっと見つめ、先輩に問う。
最寄駅に着くまで後5分程度。
その時間だけでいいから、こうしていたい。
生意気かもしれないけど凄く心地良くて幸せなんだ。
先輩少し驚いたような顔をするも、すぐに
「 勝手にしろ 」
とそっぽを向いてしまう。
「 ならこのままでいます 」
返事はなくても、私を退かそうともしない。
そんな先輩の優しさが私は本当に好きだった
先輩の匂いが鼻をくすぐる
それはブレザーからじゃない、
勝己先輩がすぐそばに、隣にいるからだった。
「 お前、他の奴にもそういうことするんか 」
「 … ほかのやつ？ 」
小さく呟くように言う先輩に聞き返すと、
窓の外を見ていたはずの視線は私に向けられていた
「 誰だっていいのかよ 」
私を捕らえて離さない先輩の視線は、物凄く真剣で
かっこよくて、思わず息を呑み込んでしまうような、それほどに真っ直ぐな視線だった。
「 そ、そんなことないです 」
ゆっくりと先輩の肩から頭を上げ、
その視線に応えるようにじっと見つめ返す。
誰でも言いはずなんてない
好きだから、勝己先輩だから、
近づきたい。離れたくない。
「 先輩だから、… 勝己先輩だからこうしたいと思うんです。他の誰かじゃ嫌だ、勝己先輩がいい 」
思わず、勢いで話しすぎてしまったかもしれない。
けれどそれでもいい。
なに言われたって、私の気持ちは変わらないから。
いずれ伝えようと思っていた、私の気持ちなんだから
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以恋(プロフ) - 宙さん» お褒めの言葉ありがとうございます（ ; ; ）続編の方もぜひよろしくお願いいたします！ (2020年3月7日 9時) (
レス) id: 3b71a2a429 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 作者様爆豪の飴と鞭使い方すごくどストライク(´∇｀) (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - え、何この小説。妄想すると自然と口角上へと向かっていきますね。え、控えめに言って最高です！これからも頑張ってください！ (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
以恋(プロフ) - Omisoさん» うわああ（ ; ; ）素晴らしいなんてとんでもないです！嬉しいお言葉をありがとうございます！続編の方ただいま作成中ですので、今後ともよろしくお願いします！（ ; ; ） (2020年3月3日 10時) (レス) id: c92cf6abc6 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 最後まで読みました！とても素敵な作品で物語の構成の素晴らしさに感嘆しました！！続編の方応援しています！ (2020年3月3日 0時) (レス) id: d4a65dd1ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：以恋 | 作成日時：2020年2月15日 3時
