【牛島若利】牛島若利は青春のしかたを知らない【HQ】

の ページ43

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「ほんとあっという間だね」

「うん、あっという間だ」

「入試頑張ろうね」


そう言い合って、卒業証書を持つ私達イツメン3人。
ウシワカはバレー部のところ。

告るって決めた。
曲げる気は無い。
私は卒業式で泣いたあと、メイクを直してウシワカの元へ行く。

天童と肩を組んでいるウシワカ。
私はそっと近づいて、ウシワカを呼ぶ。


「ウシワカ」

「なんだ？」

「ちょっといい？」

「ああ」


大丈夫。
私に好かれたら嬉しいって言ってた。

大丈夫。
今の私は最高に可愛い。

大丈夫。
たかがウシワカなんだから。

そう自分に言い聞かせ、2人になれる場所にウシワカを連れてくる。
ウシワカは不思議そうに私を見る。

私は小さく深呼吸をして落ち着く。
それでも心臓は鳴り止まない。
私らしくいればいい。


「ウシワカ」

「なんだ」


私はウシワカの目をじっと見つめ、一呼吸置いてゆっくりと言葉を紡ぐ。
好き、それだけなのに。

やけに長い文章に感じられる。


「私、ウシワカのことが好き。付き合ってくれませんか」


言えた。
最後の方が声が小さく震えていたのがわかる。

ウシワカは少し戸惑ったように、あ、だの、う、だの言葉にならない言葉を発する。
そして私に言った。


「……こと、わる」

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