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「Aちゃん、太一と遊びに行ったんだって?」
「別に、天童には関係ないでしょ」
次の日の学校で、朝から天童にそんな話をふられる。
私が素っ気なく返しても、天童はめげずに話し続けてくる。
やっぱり先輩後輩は似るもんなのか、そんな風に考えつつ彼の話に耳を傾ける。
「誰とも話さない、話しても冷たいAちゃんが太一とデートか〜、付き合ってんの?」
「ない」
私はノートを開いて、問題集の問題を解こうとシャーペンを握る。
誰とも話さない、確かにそう。
話しても冷たい、冷たくとまでは言わないけど素っ気なくしてるのは事実。
私とは話が合わないのが目に見えてる。
口を開けば夢だの努力だのなんだの。
くだらない、そんな人と話したって私が惨めになるだけ。
「ていうか、まず友達いないよネ」
「いらないの」
「ふ〜ん」
「天童こそ、私に話しかけてこないで、友達いないの?」
「俺、友達多い方だもーん」
そう言ってケタケタ笑う。
私はその言葉を最後に、問題を解くために集中する。
最初こそ話に混ぜようとしてくれる子はいた。
でもそれをことごとく無視してきた私が、友達欲しいだなんて言えない。
欲しいとも思わないし。
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時雨 彩(プロフ) - 海石榴《ツバキ》さん» コメントありがとうございます!見てくださる方がいると書き手として自信になります。御愛読ありがとうございます! (2019年12月21日 0時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
海石榴《ツバキ》(プロフ) - 今、時雨彩様の作品を見て回ってるんですが、どれも素敵な作品ですね。その文才がうらやましいです。 (2019年12月21日 0時) (レス) id: 906a0c9fbd (このIDを非表示/違反報告)
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