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*川西side
「うっわ、超オシャレっすね」
俺がそう言うと、Aさんは当たり前だと言わんばかりに俺を見る。
長くて天使の輪が2個も3個もついている焦げ茶色の髪、クリーム色の薄いタートルネックの上にワンショルダーのタイトめワンピース。
そこに差し色のように肩に斜めがけにされた黒の腰巻きカバン。
スタイルの良さが際立つ。
デートの約束をし、ついに当日。
行く場所は水族館という定番中のド定番。
「早く行くよ」
「わかってます」
Aさんの後ろを追い、横に並ぶ。
横を歩く彼女は女子の中では大きいが、俺と並べば低いも同然。
そんな失礼なことを、ふと頭の中で考えた。
水族館について魚やらクラゲやらを見ている彼女。
魚以上にAさんの横顔が綺麗で、つい見つめてしまう。
俺の視線に気づくと、むっとした顔をする。
俺は顔を背け、目の前を泳ぐ謎の魚をじっと見つめた。
「わあっ」
Aさんが俺の腕に抱きつく。
思わず声を出し、Aさんの方を見るとイタズラに微笑んでいる。
顔の造形が良いせいか、許すどころか嬉しくとも思ってしまう。
すぐに離れた彼女の感触が愛おしい。
「私とデートできるなんて、太一、一生の運を使い果たしたんじゃない?」
「かもしれないっすね」
いつもは氷河のように冷たい彼女が、俺に向かって微笑む。
その事実が俺の感情を後押しする。
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時雨 彩(プロフ) - 海石榴《ツバキ》さん» コメントありがとうございます!見てくださる方がいると書き手として自信になります。御愛読ありがとうございます! (2019年12月21日 0時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
海石榴《ツバキ》(プロフ) - 今、時雨彩様の作品を見て回ってるんですが、どれも素敵な作品ですね。その文才がうらやましいです。 (2019年12月21日 0時) (レス) id: 906a0c9fbd (このIDを非表示/違反報告)
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