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「わかった、いいよ」
私がそう言うと、太一はふっと口角を上げて笑った。
嬉しそうだけど、控えめ。
彼の顔を見上げるのは首が痛くなる。
その身長が羨ましくて、恨めしい。
「走るんじゃないの」
「嘘です」
「変なの」
ロードワークが嘘だと言うなら、太一はいったいなんのために外に出てきたの。
呆れながら、ため息をつく。
太一は私が言いたいことを察するように、口を開いた。
「美人な先輩とお近付きになりたいので」
「そう開き直る人は初めて」
「それにスタイルもいい」
「もうちょっと気の利いた事言えないの」
私がそう言うと、太一は言えないっす、と間髪入れずに答えた。
不思議に思い、思わず首を傾げる。
太一がだって、と続けるから私はそれに耳を傾ける。
「Aさんのことよく知らないですし」
これから知り合ってく予定ですけど、と真面目そうに言った後に太一は笑った。
私のことよく知らない、か。
その言葉を言えるだけ私のことを少しはわかってるように感じられる。
「じゃあ知り合うための第1歩として、俺とどこか行きませんか」
「いいわ、デートしてあげる」
少しの照れ隠しで、つい上から目線に答えてしまう。
それなのに太一は嬉しそうに空を仰いだ。
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時雨 彩(プロフ) - 海石榴《ツバキ》さん» コメントありがとうございます！見てくださる方がいると書き手として自信になります。御愛読ありがとうございます！ (2019年12月21日 0時) (
レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
海石榴《ツバキ》(プロフ) - 今、時雨彩様の作品を見て回ってるんですが、どれも素敵な作品ですね。その文才がうらやましいです。 (2019年12月21日 0時) (レス) id: 906a0c9fbd (このIDを非表示/違反報告)
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