【及川徹】重ねて、忘れて純愛【HQ】 (ページ46)

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及川side

そして、次の日から早速リハビリが始まった

まずは膝の関節可動域エクササイズ、筋力エクササイズ、そして最後に無理のない歩行練習

しかし足を地面に着いた時、右膝に激痛が走る

｢……ｯ………｣

｢及川君、無理はしないで｣

俺のリハビリ担当の男の先生がそう言いながら肩を支えてくれる

｢……大丈夫です。……痛くないです｣

俺はそう言って一歩、また一歩と足を進めた

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あれから大体一週間後

俺は杖がなくても安定に歩行ができるようになっていた

もちろん凄くスムーズって訳じゃない、でもこれなら後に三日程で退院も可能だと先生に言われた

そして手術から9日、俺はやっと退院することになった

｢良いかい？一ヶ月は激しい運動はしちゃいけない。今度こそ、本当に取り返しのつかないことになるぞ。

一ヶ月したらまたおいで。……いいね？｣

｢………はい。｣

先生の軽い脅迫にしっかりと頷く
まぁ、医者の言うことは絶対だ

荷物を持って病院の出入口へと向かう
その時、聞き慣れた声が耳へ飛び込む

｢おーい、及川～！｣

｢い、岩ちゃん！｣

驚きと嬉しさが混じり駆け寄ろうとした時、岩ちゃんの隣に立っている人物を見て思わず目を見開く

｢え……Aさん……？｣

そこには少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうな表情を浮かべる彼女が居た

｢そ、そこで岩泉君と会って……えっと、その……退院おめでと｣

俺は一瞬嬉しさで声が出なかったが、何とか小さな声で " あ、ありがとうございます…… " と返す

｢でも元気そうで本当によかった｣

そう言って笑う彼女に心がときめく

｢どうせリハビリでも無理してたんだろ｣

｢し、してないし！｣

岩ちゃんの言葉に何とか答えつつ、俺は嬉しさで緩みそうな頬を必死で抑えた

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