【及川徹】重ねて、忘れて純愛【HQ】 (ページ45)

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*及川side

見せると同時に俺の携帯が鳴る。
俺は自分のスマホと岩ちゃんのスマホを交互に見る。

そこにはただ一言、バレーしようぜというメッセージだけ。

岩泉バレーしようぜ
花巻もち
松川いつ
岩泉及川が手術したから練習相手に
花巻いいぜ

メッセージで流れていく画面を見て、俺の顔に笑顔がこぼれていく。
岩ちゃんが俺を見て言う。

ニヤニヤして、どうだと言わんばかりのドヤ顔で。

「返事しねーのかよ、既読ついてんぞ」

「するよ！！」

俺はニヤケ顔を隠そうともせずに、スマホに文字を打ち込む。
送信ボタンを押して、画面を覗く。

及川みんなありがと!!!

俺って愛されてんな。
親や兄ちゃんはもちろん、見放さずに診てくれた先生、岩ちゃん。

まっつんやマッキー、Aさんだって心配してくれた。
嬉しさで胸がきゅっとしまる。

「ニヤニヤしてんな、気持ちわりぃぞ」

「ひどいっ」

今までのこと、これからのこと、Aさんのこと、たくさんのことを岩ちゃんと話した。
笑うだけ笑って、日が暮れた。

病室を出る時、岩ちゃんが言った。

「Aさんみてぇな人たぶんこの先いねーぞ」

「わかってるよ」

手を振ると、岩ちゃんも手を振って病室を出ていった。