【及川徹】重ねて、忘れて純愛【HQ】 (ページ34)

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なんだ、修羅場か？と少し気になり耳を傾ける

｢はぁ？何それ！？好きな人とか聞いてないよ！｣

｢言ってないからね。とにかくもう連絡してこないでよ。｣

そう真剣に冷たい声で放つ及川君
彼の冷たい態度を見るのは二度目だけど迫力がある

｢ねぇ、何で！？私じゃダメなの？？｣

｢……｣

綺麗な彼女はそうただをこねながら及川君の腕を引っ張る。彼は大層迷惑そうに眉をひそめる

｢もう、話すことないだろ。出てってよ｣

｢嫌だ！！なら私と付き合ってよ！！｣

なんとも傲慢な奴だ。と思いつつ、及川君やっぱりモテるんだなぁと考えていると、彼が突然席を立ち上がった

｢ちょっと、煩い｣

｢……え？｣

あくまでここは研究室

ここで話すことではないと判断したのか、及川君は美人さんの腕を引いて研究室を急ぎ足で出ていった

バタンと閉まるドアに研究室に居た人全員が釘ずけになる

｢………大丈夫なのかね、アレは……｣

友達が苦笑いを浮かべながらそう呟く
私もおのずと苦笑い

及川君はきっと彼女と話をつけるために出ていったのだろう。

…………しかし、本当に何も無いんだろうか。

そんな考えが浮かんだ

あの二人、傍から見れば美男美女のお似合いカップル。それはそれでいいじゃないか。

……………

いいん……だよね。

私はそう無理やり結論づけてパソコンに目を向けた。

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