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牛島くん、爆弾落としてそのまま去っていってしまった。
おかげで天童くんとは少し気まずい。
天童くん、あんなに必死に否定するってことはやっぱり脈なんかないよね。
そう自傷気味に笑う。
勝手に舞い上がってたな。
そっと自分を戒めた。
「俺なんかとカップルに間違えられるの、ヤだよネ」
「そんなことない! ……です」
「じゃあ、嬉しい?」
「……ちょっとだけ」
天童くんがそう冗談を言ってくれる。
そのおかげで少し気が楽になる。
天童くんが無邪気に笑って言った。
「やったネ」
その笑顔がまた、可愛くて優しくて、なた好きになっている。
天童くんのこと知れば知るほど好きになる。
そんな月並みの表現しか出来ないけど、その言葉のまんまだ。
「俺も、ちょっとだけ嬉しいや」
「……それって」
「ディッピンドッツ行こっ!」
そう言って天童くんが私の腕を引っ張って、早歩きで進んでいく。
また、舞い上がってる。
それでもいい、それでも勘違いしていたいような気がする。
「ディッピンドッツ2つ!」
「600円です」
「はいっ」
「ありがとうございます」
なんの迷いもなく私の分まで出していく。
天童くんは私にディッピンドッツのカップを渡す。
「お金……」
「デートは男が払うんダヨ♡」
そうウインクしながら言う。
悪ノリがすぎる、そんな期待させないで。
心で悪態をついても、心臓は正直。
その言葉に反応して、大きく脈をうつ。
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時雨 彩(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます!無事完結出来たのも応援してくださった皆様のおかげです。応援ありがとうございました! (2019年9月26日 21時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - 完結おめでとうございます!楽しく読ませてもらいました。 (2019年9月26日 21時) (レス) id: f2a649a0a0 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - エアコンさん» コメントありがとうございます!素敵だなんて言っていただいて嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね! (2019年9月21日 17時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
エアコン(プロフ) - 面白い!素敵な小説ですね〜! (2019年9月21日 17時) (レス) id: 1a75dc9844 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - ぬーすけさん» コメントありがとうございます!今まで書いていた天童くんの小説とは違い、純粋でなんの駆け引きもない小説が書きたかったんです。これからもよろしくお願いしますね! (2019年9月21日 17時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
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