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*天童side




「……ちわ」

「Aちゃんくっらー、どうしたの?」


Aちゃんが異様な暗さを持ち合わせて、店内に入ってくる。
理由を促す。


「モモちゃんが、電撃結婚……なんて……」


下を向いて、本当に落ち込んでいるらしい。
そう話す彼女。
そっか、普通の人は若利くんとモモちゃんが結婚することは知らないのか、なんて。

俺はカウンターに、両手で頬杖をついてAちゃんを見る。


「とりあえず、着替えて来なヨ」

「はい……」


更衣室へ向かうAちゃん。
俺は軽くため息をついて、コーヒー豆ををすり潰す。

髪をまとめながら店に出てくるAちゃん。
俺がひくコーヒー豆の匂いをくんくんと嗅ぐ。


「ブレンドですか?」

「そ」

「酸味は控えめの渋みが強いですね」

「へえ、わかるんだねェ」


そう言うと、Aちゃんが少し笑いながら言った。


「鼻がいいんです」

「ふーん」


挽き豆をそっと器に移し、手を洗う。
エプロンで手を拭きながらAちゃんに近づく。

モモちゃんを真似た髪にそっと触れる。
Aちゃんが少し驚きながら俺の名前を呼ぶ。


「天童さん?」

「髪、切れば?」

「え、でも……」

「髪色も髪型もメイクも似合ってないヨ」


服も、と付け加える。

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時雨 彩(プロフ) - るさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。短編集みたいにして牛島夫婦のことも書きましょうかね……、これからもよろしくお願いしますね! (2019年9月12日 6時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - 椎菜さん» コメントありがとうございます!学校が始まり、更新ペースは少し落ちると思いますが、頑張ります。今後も応援お願いしますね! (2019年9月12日 6時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 可愛いー!!!!!!あわよくば牛島夫婦の今後がみたいですね…………… (2019年9月12日 2時) (レス) id: 8ef33eb295 (このIDを非表示/違反報告)
椎菜(プロフ) - もうめっちゃ好きですありがとうございます。ほんとに。頑張って更新してください!この小説かなり生きる糧になってます。大好きです (2019年9月11日 22時) (レス) id: a30053aa78 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - みじんこさん» コメントありがとうございます!そんなに言っていただけると嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね! (2019年9月9日 7時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨彩 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年9月8日 19時

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