24 ページ24
*
「俺は、Aも同じだと思ってるけど」
「……そうですね、よくわかんないです」
俺と同じ、それは私が赤葦先輩のことが好きという事を表す。
好きと言われれば好き。
でも天童さんの顔や声が頭から離れない。
恋なんて赤葦先輩を諦めてから、しようとも思わなかった。
天童さんのこと好きかどうかきかれたら、たぶん違うと私は言う。
それでも赤葦先輩と付き合うとなると天童さんには顔向けできなくなりそう。
「天童さん?」
「……はい」
「好きなの?」
「違う、と思います」
「俺のことは?」
「好きだと思います」
思います、と付けてしまうのはどちらにも確証がないから。
赤葦先輩のことは既に過去のことになってるかもしれない。
天童さんの方へ傾いて、走り出そうとしてるのかもしれない。
考え出したら止まらない。
「赤葦先輩は今も私のこと好きですか?」
「うん、俺ははっきり好きだって言える」
「それなら、私は……」
目頭が熱くなって鼻の奥がツーンと痛む。
目が潤み、赤葦先輩の顔が歪む。
すると赤葦先輩の手が私の頭に伸びる。
「困らせてごめんね」
家の前で、そう言う。
赤葦先輩が私に背を向けて歩き出す。
「待って……!」
そう言って赤葦先輩の腕を掴む。
263人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨 彩(プロフ) - るさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。短編集みたいにして牛島夫婦のことも書きましょうかね……、これからもよろしくお願いしますね! (2019年9月12日 6時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - 椎菜さん» コメントありがとうございます!学校が始まり、更新ペースは少し落ちると思いますが、頑張ります。今後も応援お願いしますね! (2019年9月12日 6時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
る(プロフ) - 可愛いー!!!!!!あわよくば牛島夫婦の今後がみたいですね…………… (2019年9月12日 2時) (レス) id: 8ef33eb295 (このIDを非表示/違反報告)
椎菜(プロフ) - もうめっちゃ好きですありがとうございます。ほんとに。頑張って更新してください!この小説かなり生きる糧になってます。大好きです (2019年9月11日 22時) (レス) id: a30053aa78 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - みじんこさん» コメントありがとうございます!そんなに言っていただけると嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね! (2019年9月9日 7時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ