【天童覚】カフェ・ノスタルジア【HQ】

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*天童side




Aちゃんが店を出ようとする時、俺はふと呼び止める。


「Aちゃん」

「はい？」


前までは1本にまとめられ、振り向く時は凶器のようになる。
でも今日はふんわりとアッシュピンクの髪がなびくだけ。

俺は前と同じように、Aちゃんの髪に触れて言う。


「やっぱ短い方がすげー良い」


Aちゃんは俺の手をバッと払う。
そんな嫌かね。


「すげー可愛い」

「うっわ、天童さんどうしたんですか」

「えっ」


Aちゃんはまるで部活をやる男子のような口調で話す。
表情は賢二郎みたい。

でも、Aちゃんの耳がほんのり赤く染っていくのがわかる。
照れ隠しかな。


「なーに、そんな運動部みたいなのー」

「元運動部ですから」

「何部？」

「バレー部です」

「だから若利くんのニュースも見てたの！」


俺はケラケラと笑う。
もっとAちゃんと話したい、そう思ってしまう。

俺は上着を羽織って、Aちゃんに言う。


「送ってくから」

「別に大丈夫ですよ」

「いーの」

「その辺の男だったら投げ飛ばせる自信あるんで」


Aちゃんが笑いながらそう豪語する。
俺はAちゃんの、手首を掴んで壁に押し付ける。

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