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21th story ページ27

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『それで、私の親が何かしたの?』

「少し長くなるが、君に聞いてもらおう。」


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これはまだ、Aが生まれる前のお話。

彼女の母親になる女性は、優秀なFBI捜査官だった。
そして、彼女の父親になる男性は、黒の組織の幹部であった。

彼女の母親は、とても美しかった。
仕事をしている姿は凛々しく、ファン(?)も多かった。

そう、その女性を愛した男こそが、日野という男だった。
日野は、昔からその女性と親しかった。

その女性自身が気づいていなくても、日野はたくさんアプローチをし、愛していた。

しかし、その女性は、日野を愛さなかった。
その代わりに、潜入先の男を好きなった。

彼女の母親と父親は愛し合っていた。
彼女の父親も、相手がFBI捜査官だと認識していた。

____本当に、幸せだった。

しかし、幸せな日常を壊した犯人こそが、日野だった。

日野という男は、怒りに満ちていた。
何故、自分を選ばなかったと。
自分に何が足りなかったのかと。

何度も、何度も、後悔した。
最初から、愛さなければ良かった。
そう思っていた時期もあった。

けれど、やはり愛しい人はただ一人だけ。

それ以外の女性を愛すことも、日野にはできなかった。




そして、日野という男は、壊れてしまった。

以前のように、彼女の母親を愛すことはなかった。
ただ、怒りに満ちていて。
常に、復讐の方法を考えて。


そう、彼こそが、彼女の母親を殺した犯人だった。
事故死ではなかった。
彼女の父親は、自ら命を絶った。

彼女に事故死と教えたのは、FBIの、かつて彼女の母親の同僚だったのだ。


そして、彼は今、Aのことを殺そうとしていた。
愛しい人の子など、関係なかった。
ただ、復讐がしたくて。
恨むなら、自分の母親を恨め、そう思っていた。




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「…さぁ、どうする。お嬢ちゃん?」

『まさか、貴方が犯人だったとは。』

「…気づいていたのか?」

『まぁ、多少は。でも、本当だとは知らなかった。…どうするの、殺すの?』

「フッ、当たり前だ。ここの建物と一緒に消えてもらう。もちろん、客も一緒にな。」

『なっ…人は巻き込まないで。』

「残念ながらだめだ。もう、遅い。君の知り合いだって、死んでしまうな。」


嘘…やめて、それだけは。
なんで、みんなを巻き込むの?
これは、私の問題。
私が死ねば、解決する話。

だめだよ、零。

零と一緒に死ぬなんて嫌。

零は、まだ、生きなくちゃ。



日本を、守るんでしょう?

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作者名:紅月 | 作成日時:2018年3月6日 18時

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