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「もしかして正門の彼女？」と笑う廉くんに、
私は思いっきり首を横に振った。
「Aちゃんは同じ軽音部員やねん。……あ、まだ入部してへんから……なんていうんやろ、同じ入部希望者？」
「せやねん」
「へー。俺も軽音部員やねんで、別の高校のね」
その一言に、
今までよりもぐっと親近感が湧く。
「夏の学生フェスで、それぞれのバンドとして会うかもね」廉くんの言葉に、
「学生フェス……？」と首を傾げた。
「毎年夏に開催されるバンドフェスやねんけど。大阪ん中からいくつかの高校が集まって、学生はもちろん一般の方まで見に来る大きめのイベントやで」
「へぇー……」
「多分毎年どの学校でも高三が引退してからちょっと経ったぐらいの頃かなぁ……。そっちの学校で高三引退するのいつやっけ？」
廉くんの問いかけに、
正門くんが「多分五月の終わりくらいじゃないんかな……？」と呟く。
「あ、そういえば」廉くんが口を開いた。
「世間話に花咲かせてて忘れとったけど、本日ご来店いただいた目的は？」
「Aちゃんの、部活用のギター買いに来てん」
「おおー、ええねぇ。どんな色がいいとかある？」
うーんと、私は黙り込んだ。
特に何色がいいってわけでも
どんな形がいいってわけでもない。
だからどうやって選べばええんかわからへん、
その旨を廉くんに伝えれば、
「なるほど」と頷いた。
「逆にそういう人の方が、運命の一本に出会えるもんよ。とりあえず見て回ってみて、いい感じのもん選んでみ」
「……うん」
廉くんに促されるがまま、
店内に無数に置かれたギターを見て回る。
隣で一緒に歩く正門くんは
「これええなぁ」「これかっこいい」と色々呟いとるのに、
私はこれと言ったギターが見つからない。
しばらく見ていれば、
ある一本に目が止まった。
「綺麗……」
どこまでも深いブルーの本体に、
金色のラメが右下の辺りに散りばめられていて
その輝きが引き立つ。
まるで夜空を模したようなそれは、
なぜか自分が今までこれをずっと欲していたような、
自分にピタッとはまるような
不思議な雰囲気を纏っていた。
「お、お目が高いねー」と近づいてきた廉くんに、
「もしかしてこれ、高いん……？」と恐る恐る聞いてみる。
「んー、そこそこ高いなぁ。これね、有名な阿蒼佑って人がデザインした、『スパークル』って作品やねん」
「作品？」
「そ。阿さんはこのギターを"作品"って呼んでてん」
デザイナーの名前がお父さんの名前と同じところとか、
やっぱりこの"作品"には運命のようなものを感じて仕方がない。
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みづき(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます！！感想を言ってくださったお方が初めてなので嬉しさで今胸がはち切れそうです……🥹これからもどうぞよろしくお願いします！！！！ (12月18日 18時) (
レス) id: 7f61fbad39 (このIDを非表示/違反報告)
み - 前作から読んでいました。今回のも楽しみに読まさせていただきます！更新頑張ってください (12月17日 12時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！以後気をつけさせていただきます。 (12月9日 7時) (レス) id: b2f60789f5 (このIDを非表示/違反報告)
苺たると。(プロフ) - １ページ目のこじけんの名前が小島建になってます(>_<) 小島健です！ (12月8日 21時) (レス) @page1 id: eae7988c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みづき | 作成日時：2023年12月6日 21時
