嫌悪 ページ10
小学生舐めんじゃねぇぞ。
そういうかっちゃんは多分、私がいなくなった後もずっと探し続けてくれていたのだろうと思った。
橋の影が降りた彼の顔は、より一層眉間にシワを刻み込んでいる。
｢A、てめぇがろくな人間じゃねぇってことくらいとっくの昔から知ってんだよ。｣
｢.....、じゃあなんで｣
｢俺が知ってんのは五年前までのクソみてぇなお前だけだ。だから答えろ！...この5年間、何してた。何しに帰ってきた！ーーー何処からてめぇは帰ってきた？｣
ちがう。
私がなんでと問うた意図はそこじゃなくて。
そうと知った上で、なんでそれでもまだ私を、
｢ねぇかっちゃん。私ね、あることを確かめに来たの。だからデクくんと今は恋人なのよ。｣
｢あ"？何ふざけてやがんだ。｣
｢でもね、本物じゃない。
だってーーーーーーデクくんは私のこと好きになってはくれないもの。｣
ざわつく気持ちを抑えるために、後ろで組んだ手を握りしめる。
改めて口にしてしまうと、やはり本当なんだと認識させられてしまって。存在しないはずのこころって名の臓器が痛む。
｢んなこと何でわかんだよ。｣
｢わかるよ。だってそうさせたのは私だから。｣
誤魔化すように笑を浮かべれば、彼の顔にはより強く不機嫌が滲む。
煩わしい私の台詞に嫌気がさしたみたいな。
｢ごちゃごちゃうるせーんだよ！そうやって、重要なことはなんもいわねぇ。.....いっつも、てめぇは｣
まるで女の子の扱い方がわかってない彼は、思いっきり橋のコンクリートに私を押し付ける。
背後の壁と前の彼。
ぐっと距離を縮め、逃げ場を失くした私をさらに追い詰めた。
荒々しい一挙一動。
今まで閉じ込めていた感情を一気に押し付ける様に、吐き出される言葉。
｢ーーーお前は俺のもんだって言ってんだろ。｣
粗雑な彼には全く似合わない優しい手つきで、頬に触れる。
陶器でも扱うように。壊れないように。
いつでも怒鳴って両手に炎を宿すかっちゃん。
なんでも壊してしまう。
、あんなかお、見たことなかった。
｢私、かっちゃんのこと大嫌い。｣
｢言ってろ。」
ああ、何度だって言う。
大好きなデクくんをいじめて、私を自分のものだとかほざいて。
なんでもお見通して、いつだってそうやって私の後を追いかけてきてくれる。
......そんな優しい所も、大嫌いなんだ。
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23.4度(プロフ) - ましろんぬさん» 他も見てくださったんですか....泣ありがとうございます！ご感想本当に励みになります！ (2017年10月12日 19時) (
レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - ぼうﾆﾝさん» 遅くなり申し訳ないです！こちらでもコメントありがとうございます...!!ご感想頂き本当に嬉しいです。ついったーの方でもよろしくおねがいします！ (2017年10月12日 19時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
ましろんぬ(プロフ) - 素敵なお話ですね。他の作品も好きです。更新頑張ってください。 (2017年10月9日 0時) (レス) id: 1785f6c6df (このIDを非表示/違反報告)
ぼうﾆﾝ(プロフ) - キャラの矢印の方向やストーリーがどすとらいくすぎて感動しました泣 これからも応援しています!! Twitterでイラスト拝見させていただきましたが､小説もクオリティ高くて尊敬しちゃいます~!! (2017年10月5日 21時) (レス) id: 64374fa942 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - お気に入りありがとうございます！更新滞り気味で申し訳ないです...。この後もお付き合いいただければと思います！ (2017年9月30日 17時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：23.4度 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aoikasou/
作成日時：2017年9月7日 20時
