嫉妬 ページ11
幼馴染が消えた。
今まで俺の手が届く範囲でかっちゃんなんて嫌い、と口をとがらせていたA。
気付けばその跡を探す事すら許されない程遠くに行ってしまっていて。
...別に特別な感情があったわけじゃないし。
仕方ないから手下にでもしてやると言ったら、あいつは目をすっと細めて呆れ混じりの笑みを浮かべた。『勝己くんの部下なら出世できそうだね。』なんて。
あいつがまだ俺の事を"かっちゃん"と呼ぶ前の、ずっと昔の話だ。だからあいつは俺の手下だし、黙って居なくなるなんて言語道断で、ましてやデクの事を好くなんて。ふざけるな。
「ッ！いい加減にしやがれ！！知らねぇわけねぇだろ！？揃って俺をはめよう何ざ百年早ぇんだよ！！！」
破壊衝動に駆られる俺に怯えるクラスメイトと、唯一宥めようと近寄ってくるデク。
...馬鹿にしやがって。
昨日までそこに机があったんだ、あいつはそこに座っていて、おはようかっちゃん宿題やった？とかくそどうでもいい事聞いてくる。
どうせ子供の悪戯だと思った。
否、どこかで感づいていながらも事実を直視することができなかった。
「かっちゃん。Aちゃん、本当にいなくなっちゃったんだよ。」
「デクてめぇまで...！！」
「だってきっと世界のだれも、Aちゃんの事を知らないんだ。」
幼いながらも、俺より多くを受け止めた顔で、奴はそういった。
...それから血眼になって探した。
ランドセルという枷を背負っても、知り得る可能な範囲最大限まで。
多分俺はそこで初めて、気づいたんだろう。
こんなにも"ただの手下"に執着している自分に。
Aは前に一度こんなことを言った。
『かっちゃんはデクくんが自分よりいっぱい持ってるのが嫌なだけだよ。私が欲しいわけじゃない。』
もうAはデクの元にすらいない。
―――なら何で、俺はあいつを探してる？
その時だった。やっとあいつの噂を掴んだのは。
犯罪現場に現れる謎の美しい少女と、消える死体の話だ。根も葉もない怪談話にも近い、信憑性何て微塵もなかったけれど、俺はそれを信じるしかなかった。
年齢を重ねて強力な個性を磨いて中学に進級した俺は、より行動範囲を広げて行った。
そうやってこの五年間、雲をつかむような"少女の話"を追いかけて....。
それがなんだ。
近所のゲームセンターで、しかもあいつの方が先に見つけていて。
俺には決して見せないような顔して、笑いやがって。
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23.4度(プロフ) - ましろんぬさん» 他も見てくださったんですか....泣ありがとうございます！ご感想本当に励みになります！ (2017年10月12日 19時) (
レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - ぼうﾆﾝさん» 遅くなり申し訳ないです！こちらでもコメントありがとうございます...!!ご感想頂き本当に嬉しいです。ついったーの方でもよろしくおねがいします！ (2017年10月12日 19時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
ましろんぬ(プロフ) - 素敵なお話ですね。他の作品も好きです。更新頑張ってください。 (2017年10月9日 0時) (レス) id: 1785f6c6df (このIDを非表示/違反報告)
ぼうﾆﾝ(プロフ) - キャラの矢印の方向やストーリーがどすとらいくすぎて感動しました泣 これからも応援しています!! Twitterでイラスト拝見させていただきましたが､小説もクオリティ高くて尊敬しちゃいます~!! (2017年10月5日 21時) (レス) id: 64374fa942 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - お気に入りありがとうございます！更新滞り気味で申し訳ないです...。この後もお付き合いいただければと思います！ (2017年9月30日 17時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：23.4度 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aoikasou/
作成日時：2017年9月7日 20時
