予感 ページ20
月曜日。
怒涛の二泊三日を終えて席につけば、ずんずんと鬼の形相で近寄ってくるかっちゃんに早速胸倉をつかまれた。
最近は何時にもましてこういう目に合っている気がする。
「おいクソナード！！てめぇ週末Aと何処行ってやがった！！」
「えっとそれは、色々あって。」
「だからその色々がなんだって聞いてんだろ舐めてんのか！？」
「ちょっと、とりあえず落ち着いてよ...。」
「んだと！？」
早朝からかっちゃんの血気盛んっぷりは健在だし、もちろん喧嘩勃発待ったなし。
なんだなんだと集まってくるクラスメイトも、かっちゃんの横暴な態度はいつもの事なので、特に心配はしていないようすだった。
けれど彼の怒りはほぼ最高潮に達していて、いつもとは状況が異なると言う事を理解しているのは、たぶん僕だけだ。
Aちゃんが絡むと、かっちゃんは頭に血が上りやすい。
「その、Aちゃんの家に泊まって」
「なわけねぇだろ！何なんだよお前ら、Aといいてめぇといい、俺にはいつもいつも何も言わねぇで...！！」
何を根拠にかっちゃんがそんなはずはないと言っているのかはわからなかったけれど、嘘が通じるほど鞭ではない事は理解する。
渋々「Aちゃんに連れ出されて、旅行みたいな感じ、かな。」と呟けば、吊り上った目は一層その角度を増した。
「...あ"？」
「いやだからその、ちょっと遠出？」
もっと問い詰められるかなとも思ったけれど、かっちゃんは掴みかかる腕の力を若干緩めて、急に押し黙った。
何かを考え込むように冷静な顔で「...何か変な事なかったか。」と尋ねてくる。
変な事？
「それって、たとえば...？」
「付けられてたとか、襲われたとか。」
「そんなこと――――」
なかった。
とは、正直な所言い切れない。
僕が不審な人物を目撃したわけではなくとも、Aちゃんは常に周囲を警戒している風に見て取れたからだ。
それに口には出さずとも、何処か視線を感じる節は僕にもあった。
...改めて指摘されると、不安要素はいくつもあったように思える。
もしかしてかっちゃんは、Aちゃんが妙な男に付けられていると言う話を知っているのだろうか...？
「...あいつ、何考えてやがんだ。クソッ」
眉間のしわをさらに深く刻み、目をぎらつかせたかっちゃんはそれだけ吐き捨てると自席に戻っていった。
何が何だかわからない、といった様子のクラスメイト。
なんだか、胸騒ぎがする。
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23.4度(プロフ) - ましろんぬさん» 他も見てくださったんですか....泣ありがとうございます！ご感想本当に励みになります！ (2017年10月12日 19時) (
レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - ぼうﾆﾝさん» 遅くなり申し訳ないです！こちらでもコメントありがとうございます...!!ご感想頂き本当に嬉しいです。ついったーの方でもよろしくおねがいします！ (2017年10月12日 19時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
ましろんぬ(プロフ) - 素敵なお話ですね。他の作品も好きです。更新頑張ってください。 (2017年10月9日 0時) (レス) id: 1785f6c6df (このIDを非表示/違反報告)
ぼうﾆﾝ(プロフ) - キャラの矢印の方向やストーリーがどすとらいくすぎて感動しました泣 これからも応援しています!! Twitterでイラスト拝見させていただきましたが､小説もクオリティ高くて尊敬しちゃいます~!! (2017年10月5日 21時) (レス) id: 64374fa942 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - お気に入りありがとうございます！更新滞り気味で申し訳ないです...。この後もお付き合いいただければと思います！ (2017年9月30日 17時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：23.4度 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aoikasou/
作成日時：2017年9月7日 20時
