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海に来る意味 ページ25

だったら・・・!


「立花?」


私が決意をしたとき、上杉君が声をかけたんだ

顔を上げれば、不思議そうに私を覗き込んでいる上杉君の顔が目の前にあった


それで私は慌てて誤魔化した



「ううん、何でもない。それより腕大丈夫?私、手当て出来るもの探してくるよ」



それで立ち上がろうとすると、上杉君が怪我をしていない手で止めた

止められるとは思ってなかったので、びっくりして振り向くと、さらにびっくり


私よりも上杉君のほうがびっくりしていたんだ


いつもは切れ長くて、涼やかな瞳を今は見開いて丸くさせている



一体どうしたんだろう・・・


疑問に思って、未だに固まっている上杉君に聞いてみたんだ




「上杉君、何かあったの?」



上杉君は一瞬、口を開いたけれど、何か考えたようで、すぐに口を閉じてしまった

けれど、やがて、再び唇話ゆっくり開き始めたんだ


私は発せられるであろう言葉に、少しドキドキしてしまった



「いや、俺も取りにいくから1人で行かなくていい」



ああ、なんだ、そんなことか

私は少しガックリした

だって、あんなにためらっていたから何か凄いことを言うのかと思ったのに


まあ、勝手に期待して勝手にガッカリしただけなんだけどね





それで、お互いに立ち上がって、海の医務室のような所に行ったんだ

そこで居た、女性にきちんと見てもらった


私も一応、念のためってことで診察されたけど、特に何もなかった


けど、大丈夫じゃなかったのは、上杉君の方



「一応、消毒もしたけれどやっぱり傷が深いね。せっかくの海だけど、傷に染みるから入らないでね。

あ、あと念のためむやみに動かさないように気を付けて」



という言葉をもらって、私達はお礼を言ってからその場をあとにした

暫く沈黙が続いたけれど、私はその中で絞り出したような声を出したんだ


「・・・ごめんね・・・」

「え?」


上杉君は不思議そうな顔をしたけれど、私は罪悪感でいっぱいだった

だって、私のせいで怪我したし、せっかくの海なのに泳げないし


とにかく、上杉君に悪い、という気持ちで溢れてた


けれど、上杉君は何でもないと言ったように首を降った



「別に、立花のせいじゃねーだろ。俺の不注意でこうなったんだし」


でも・・・


「それに、立花が怪我したら男のメンツが持たねーだろ。怪我がなくて良かったんだよ」

そういうものなの?



「て言うか、早くKZのとこもどんねーと」


あ、忘れてた・・・

ダイヤより硬い、KZの絆→←HEROと決意



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彩快(プロフ) - 続編出しました! ぜひ見てください! (2020年2月25日 21時) (レス) id: 05e0908cfe (このIDを非表示/違反報告)
彩快(プロフ) - 桃菜さん» ありがとうございます! 紺青の拳とか書けるか不安でしかないけど・・・ 少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです! (2020年2月5日 17時) (レス) id: 2b3d14f3b4 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続編マジですか?楽しみすぎますッ!! (2020年2月3日 19時) (レス) id: 1a2242fc2c (このIDを非表示/違反報告)
彩快(プロフ) - 瀬天心葉さん» ありがと! がんばるー! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 2b3d14f3b4 (このIDを非表示/違反報告)
瀬天心葉(プロフ) - 彩快さん» おお!覚えててくれた(・・;)月とか星とかいいよね♪まじで楽しみにしてる!!(=゚ω゚=)がんばれー!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩快 | 作成日時:2019年10月9日 7時

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