陸 ページ6
side 大倉��子
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
散歩を終え、家路につく
歩き乍ら、儂はAに尋ねた
「条野は何故、あれ迄にして、Aをみようとしないのじゃ」
「何故なのかな、私には判らないよ、��子ちゃん」
悲しげに笑うA
少し自嘲気味に見える笑顔が、月明かりに照らされて、酷く綺麗に見えた。
「記憶が無いところが、条野さんの沸点に達した一つの理由なんじゃないかな・・って」
14歳から以前の記憶が無いA
一度だけ、何処からかの刺客と一戦したときに、
その頃１４だったAの頭に大打撃を与えた際に、見事に吹っ飛んだのだ、
其の日のことは、未だに忘れていない、否、忘れられ無い
消せるものなら、今直ぐ消して、屑籠へ投げ入れたい位なのに
Aの此の次自嘲的な笑顔を見る度に、思い出してしまう
最年少、日本中でどれほど騒がれたか
【最年少！軍警『猟犬』に最年少少女！１３歳の逸材！！】
【猟犬最年少の少女！凶悪大量強殺団体の長を仕留める！】
【正に狂犬！！巧みな剣使い！軍警の剣豪】
大きく何日も、新聞の表紙を飾ったA
政府広報のテレビニュースにも、晴れ晴れと輝く功績を残したAが映し出される
そんなAを、入りたての頃から見ていた末広、隊長、そして条野――――――――――――――
条野は、Aに対して冷たくしているのでは無い
決して、憎い等とも思っていない
寧ろ条野自身が、自身に
嗚呼、条野もAをみて思い出すのだろうか
あの時助ける事が出来無かった自分を、
そして、恨んでいるのだろうか
其の時に助けに行けなかった自分を、腹が過れるほど、悔やみ恨んで―――――――――――
「てる？」
「否、何でも無い」
ちらりとAを見る
もうAには、この一戦があった事すら、残ってないのだろうけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
物理的 - リクエストです。猟犬メンバーが皆で、お正月を過ごす話を作って欲しいです。 (2018年12月28日 20時) (
レス) id: 315b9d08b1 (このIDを非表示/違反報告)
花弁 - リクエスト(ネタ提供)しても良いですか。
条野さんと夢主で祝言を挙げて下さい。
(2018年8月24日 13時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぬゐ。 | 作成日時：2018年8月16日 11時
