四拾参 ページ43
side me
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印刷室の、年がかかったドアを開く
破られた書類の印刷に、疲労がたまった身体を使うほど、しんどいことは無い
ゆるゆる欠伸をしつつ、機械に近寄ろうとする
あれ、なんだろ、此の書類
印刷室の机の上に、ぽつねんと紙が幾枚か、ホッチキスが止まった状態で置いてある
 ̄武装探偵社要項
これ、私がまとめ書いたやつかな
少し気になって、ぺらり、と紙を捲る
間違いなかった、自分が書きあげて、条野さんに渡そうとした文書だ
ひらり、と一切れの紙が机に落ちる
 ̄届けに来てくださいね
 ̄条野 採菊
眼を見開く
条野さん、刷ってくれたんだ
ついでにもって言ってくれれば善いのに、と思いつつも、紙の束を掴む
どこにいるかも記してくれればいいのに、とも重ねて思う
なんせ此の広い館内、部屋は三桁余裕で在るのだ
そう思って振り返ったと同時に、扉が開く
「おや、今から持って来てくれるところだったのですか」
――――――――――――条野さんだ
「丁度いいところに、これ、文書です」
そういって手渡すと、速足で部屋から出る
「有難う御座います」
 ̄今更、何を礼の言葉を
乱暴に受け取った癖に
自分の思うまま私を無視し続けた癖に
期待させておいて、結局根は変わらなかった癖に
ぐるぐるぐる、と厭な出来事が巡回する
それはどんどん条野さんに対して負の感情を巻き付けていく
「私はAさんの事、好きですから」
何を今更
何で、今
溢れてくる涙を乱暴に拭うと、廊下を走って去った
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物理的 - リクエストです。猟犬メンバーが皆で、お正月を過ごす話を作って欲しいです。 (2018年12月28日 20時) (レス) id: 315b9d08b1 (このIDを非表示/違反報告)
花弁 - リクエスト(ネタ提供)しても良いですか。
条野さんと夢主で祝言を挙げて下さい。
(2018年8月24日 13時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬゐ。 | 作成日時:2018年8月16日 11時