検索窓
今日:7 hit、昨日:15 hit、合計:55,043 hit

弐拾伍 ページ25

side A


+++++++++++++++


腹の辺りに鈍痛をおぼえて目が覚める

傷みに腹を抑えると、赤黒い乾きかけた血が手にべたりとついた



 



嗚呼、さっき、眼鏡の男に

手榴弾で爆撃を受けたんだっけ


 

流石生体手術を受けた体、右腹部の出血と所々の擦過傷で済んだ

 


 

私は手足が折れてないか再確認すると、砂埃を払って立ち上がる

此処迄、誰が運んでくれたんだろう

 

 

そう思って道路の方を見た時だった




 


 

 







鐵腸さんが条野さんに剣を振り下ろす






 


 


 
 

 


私は間に合うか、間に合わないか判らないが、直ぐ二人の間へ高速で駆け行く

何故?



 


何故、鐵腸さんが条野さんに、況してや仲間に





 





 





 







剣を、振り下ろそうと―――――――――――――――――――



 



 
 


血飛沫が目の前を横切る

少し遅れて、左腕が痛みに悲鳴を上げる



 
 




「Aさん!!?何をして・・・!!!!!!!!!」


 

 





鐵腸さんの声が聞こえる

ぽたり、ぽたりと血が落ちてゆく



 
 
 
 

 
 
深く切れたのだろうか、溢れ返っては落ちてゆく



 

 


切断とはいかなくて善かったものだ

とは云え、此れは生体手術をした体でも耐えきれないほどの衝撃だったのだろう

 

頬を脂汗が落ちる



 


痛い、痛い、鈍痛が走る

今腕を引かれたら、千切れそうな程


 




 




「Aさん、腕出してください」


 

条野さんの声が聞こえる、

否、条野さんかわからない



頭が回らなくなってゆく



 


誰の声かもわからない相手に、腕を出す

痛くて、顔を上げるのも億劫だ


 


誰?貴方は誰?








 


其の人は包帯を取り出すと、何処かで習った止血処置の方法で包帯を巻いてゆく


 

 


何処で習ったっけ、此れ

縦に壱、横に弐


 

上側をきつく、脈の通る下を少し緩く

あれ、何処で習ったっけ



 


 
 



 ̄この処置、知っておくと便利なんですよ

 ̄貴方が13歳だと知って、猛威を振るってくる敵がいるかもしれません


 


ぼんやり考えてるうちに、包帯が撒き終わり、止血されている

未だじんわりと出るも、もう先ほどみたいに垂れ落ちてこない


何時の間にか脂汗も止まっていた


 




 

弐拾陸→←弐拾肆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
82人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

物理的 - リクエストです。猟犬メンバーが皆で、お正月を過ごす話を作って欲しいです。 (2018年12月28日 20時) (レス) id: 315b9d08b1 (このIDを非表示/違反報告)
花弁 - リクエスト(ネタ提供)しても良いですか。 条野さんと夢主で祝言を挙げて下さい。 (2018年8月24日 13時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぬゐ。 | 作成日時:2018年8月16日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。