拾捌 ページ18
side A
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少し、上手くいったと思ったのに。
心の中で舌打ちをする
水筒迄は、いかなかったか
帰るまで、辛い口の儘でいるほうが、余程辛いのに
関節接吻、ただそれだけのことを
気にしなくて、良いのに
何でそう言うところは、過敏に反応して断るんだろう
いつも視界に置いてない癖に
「只今帰りました。隊長」
「がっはっは!御帰り!如何だ?南の幹線道路組!」
「其れと言って私達の障害になるものは有りませんでした」
条野さんが端的に説明する
「条野、さっきから口元を抑えてどうした?口でも痛いのか?」
「えぇ、何処ぞの莫迦の所為で」
ぎっと末広さんを睨む
「苺七味、隊長も如何ですか?」
「否、結構。ははぁ、条野はその所為で口が痛いのだな」
「そうですよ、お陰で帰り道どれ程辛かったことか・・・」
深く溜息をつく条野さん、
隊長は何処からか水筒を出す
「ほれ、水。本当は牛乳の方が良いらしいがな。生憎水筒には水しか入っておらん」
「充分です。頂きます」
条野さんが受け取り飲む
「というか何故飲まなかったんだ?A君はいつも水筒を所持しているぞ?」
「道中は移動が一番なので、その様なことに気を配ってはいられませんし」
「固いなぁ条野、A君は水筒を差し出しただろう?」
え、と二人同時にして小さく洩らす
何故
その場にいたわけでもないのに、隊長は知って―――――――――――――
条野さんが押し黙る
「あれ?勘違いだったら申し訳ないな!A君ならそうすると思ったんだが、がっはっは!!」
隊長の眼が此方を捉える
「違うか?A君」
嗚呼、こういう時は、如何答えたらいいのだろう
はい?いいえ?
謙遜すべき?しないべき?
条野さんにつくべき?隊長に同意すべき?
「はい、けれど、移動が最優先ですし」
違う、違う、そんな事思っていない
条野さんも此方を驚いた顔で見る
ほら、そんな表情しないでよ
貴方の為に、庇ったのに
「そうか、優秀だなこの部隊は!最年少のA君でさえも!儂は年だけ取って中身は変わらぬからなぁ!」
隊長の笑い声が、澄んだ空に大きく木霊すのだった
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物理的 - リクエストです。猟犬メンバーが皆で、お正月を過ごす話を作って欲しいです。 (2018年12月28日 20時) (レス) id: 315b9d08b1 (このIDを非表示/違反報告)
花弁 - リクエスト(ネタ提供)しても良いですか。
条野さんと夢主で祝言を挙げて下さい。
(2018年8月24日 13時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬゐ。 | 作成日時:2018年8月16日 11時