猟 犬 の 少 女 【文豪ストレイドッグス】

拾漆 ページ17

side 条野 採菊

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七味少し残り痛い口内

口元を抑えながら歩く
　

　
何故、自分は反射的に先程の様な事をしてしまったのだろう

　

自分でも驚嘆だった

　

　

猟犬に彼女が復帰してからというものの、視界に置かないように、関心の矛先が向かないようにしていたのに。

　
何故、反射的に手が出たのだろう

　


「採菊さん、眉間に皺よってますよ」

「貴方が原因です。今直ぐ死んで頂きたい」

　

鐵腸さんが横から不思議そうに見てくる

嗚呼、貴方の所為でこんな行為に出て、こんな思いをしないといけなくなってしまったというのに

　

「あの・・！条野さん！」



後方から、遠慮がちな声が聞こえる


　

「お水、宜しければ・・」



そう言い小ぶりの水筒を差し出す


　



￣此の子は莫迦か？



　


　

何故、先の事まで考えないのだろう

関節接吻となるのに、気にしていないのか？


彼女にとっての私の立場は、さぞ悪いものに違いないのに

　


　


莫迦は困る、本当に


　



「受け取っていいのですね？」


一応聞いてみる



「はい！すみません、先程は・・・」


何処も気をとりとめずに言うAさん


　

莫迦、本当に莫迦だ此の子は

　

　

直接聞いた方が判ってもらえるのか？




「関節接吻、其れでも宜しいのですね？」


言った途端、忽ち赤くなる彼女の顔

　

　
　

　
　
　
　




「き、気にしておりません！そのようなことを気にするのは、相手が好きな人の時で・・その場合はお渡ししませんが――――――」


　

　

　
　

　

だから、条野さんは気にせずお飲みになって下さい


　

Aさんははにかむと水筒を私に寄越す

　
　
　
　

　

　


￣気にするのは、相手が好きな人の時で


　
　
　




　

￣その場合は、お渡ししません


　
　

　


受け取った水筒を、そのままAさんに押し返す


　
　

　
　
　

　
　


　


「結構です。私としては受け取れません」


　


　

受け取ったのを確認すると、背を向けて再び歩き出す


　


少し重くなった足で
　




　









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