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「お前はほんと、なんにも分かってない」
紫耀くんはどんな風よりも早く
どんな光よりも暖かく
私の左手、人差し指
赤い血が溢れる傷口を舐めた
ズキン、と痛むその傷を
紫耀くんは噛むように 噛み締めるように
私の痛みを背負ってしまうように
「ちょ、っと……」
ぐん、と手を引くと
紫耀くんは唇を離し
私のことを抱きしめた
幼なじみ
そう称される私たちの関係は
それ以上それ以下もなく 続いてきたが
いま、崩れ落ちるように
何かが弾け飛んだ
「逃げんなよ………っ
自分から逃げんなよ！！」
私よりも感傷的に
紫耀くんは 人の痛みが分かっちゃうのね
「お前じゃなきゃ、産まれてこなかったよ！
お前だから、今ここに生きてんだよ！
なのに簡単に、死ぬとか…
そんなの選ぶなよ……っ」
紫耀くんは よく私の部屋にゲームを持ち込んで
私がそれに参加すると
「お前が入ってきたら絶対負ける」やら
「お前弱すぎ、足でまといだわ」やら
「いまさら遅いよ、紫耀くん」
私の人生がゲームだとしたら
画面にヒビ入ってるわ、
ボタンは沈んでて押せないわ、
中身のカセットも水没して使えないわ、
そんなもんなの。
だからこんなにも惨めなの
「これは、死じゃないの
ただのリタイア。」
私は柵に手をかけた
紫耀くんはそんな私の制服を掴んだ
ぐん、と引かれるそれは
まるで最終兵器みたいで
紫耀くんのゲームの力量を思い出す
私なんかよりずっと強くて
そのゲームをやりこんでた紫耀くんは
いつも私を助けるために戦ってくれていた。
あまりに強いスペックの武器は
へなちょこの装備の私には強すぎたな、
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霞草(プロフ) - aimiさん» コメント頂けて嬉しいです。久しぶりになにか執筆したいなぁと思ってます！ (2021年10月10日 1時) (
レス) id: cf24c8e438 (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - あと、燃える心に駆け抜けろの続編が読みたいです。よろしくお願いいたします (2021年10月6日 20時) (レス) id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - 私、こういう感じの作品初めて見ました‼️また、書いていただけると嬉しいです‼️ (2021年10月6日 20時) (レス) @page37 id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
すばりてちゃん - あぁ、やっぱり作者様が紡ぐお話はエモすぎる、と心より思います。いつか私も、作者様のように人を動かせるような言葉を紡げたらと憧れました。陰ながら応援しております。 (2019年12月25日 12時) (レス) id: 9aa5aa9bdc (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 岸くんのストーリー好きです。続編で長編とかも書いてもらいたいです。また、廉くんのストーリーも、番外編でも良いので、ハッピーエンドになるようなお話が読んでみたいです。よろしくお願いします。 (2019年3月24日 7時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞草
| 作成日時：2019年3月19日 0時
