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リタイア ページ18











ギラギラと太陽が照りつける
私はひとり 屋上の地面に寝そべった


目にかぶせた右腕の隙間から
覗く光が私のことを見つけて

「なにしてんの」って聞いてくる



なんにもしてないし。

見ての通り、高校生をたのしんでるの
人生を一旦、ストップモード。




今ごろ先生は困ってるかな
授業が中断してたりして。


いやいや、

そんなことあるわけない。

私ごときに 世界は興味を示さない
何事も無かったように 私の席だけが

ポツリとひとり そこに残ってるだけ





「なにしてんの」





声が聞こえた
ついに、天の声が聞こえるようになったのか私。
神様の声は意外とハスキーなのね。

そんな風に考えて 私はその声に答えた





「見ての通り休憩中です」





その声の持ち主は 少しずつ近づいてきて
私の視界に 影を落とした


ギラギラの太陽が 私から遠のいて
邪魔されたことに少し怒りを覚える




「だから、なにしてんの?」



なんでか、その声も怒ってて
私は起き上がり目を開けた

そこにはフツーの人間がいた。






「なに、なんか用?」




私はソイツの質問には答えず、そう吐き捨てて
両腕を後ろにつき、天を仰いだ
細切れになった雲が 大きな雲を追いかける

数羽の鳥はその隣を 軽々しく羽ばたいていく

光のナイフが鳥たちを刺し
彼らはまた、煌びやかに舞った





「お前いないと授業止まるんだけど」





馬鹿言え。そんなはずがあるわけないだろ。
だいたい今は国語の時間、当てられる問題もない現代文の授業中。

私がいなくたって あの中年の先生は進めてくに決まってる。あの眼鏡をかけた小太りの男。





「じゃあ紫耀くんがどーにかしといて」



「無理。連れ戻せって言われたし」




そう言って、紫耀くんは
気安く 私の腕を掴んだ
ちっ、人生再スタートモード。

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設定タグ:King&Prince   
作品ジャンル:恋愛
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霞草(プロフ) - aimiさん» コメント頂けて嬉しいです。久しぶりになにか執筆したいなぁと思ってます! (2021年10月10日 1時) (レス) id: cf24c8e438 (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - あと、燃える心に駆け抜けろの続編が読みたいです。よろしくお願いいたします (2021年10月6日 20時) (レス) id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - 私、こういう感じの作品初めて見ました‼️また、書いていただけると嬉しいです‼️ (2021年10月6日 20時) (レス) @page37 id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
すばりてちゃん - あぁ、やっぱり作者様が紡ぐお話はエモすぎる、と心より思います。いつか私も、作者様のように人を動かせるような言葉を紡げたらと憧れました。陰ながら応援しております。 (2019年12月25日 12時) (レス) id: 9aa5aa9bdc (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 岸くんのストーリー好きです。続編で長編とかも書いてもらいたいです。また、廉くんのストーリーも、番外編でも良いので、ハッピーエンドになるようなお話が読んでみたいです。よろしくお願いします。 (2019年3月24日 7時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霞草 | 作成日時:2019年3月19日 0時

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