40話 足の小指をぶつけると凄く痛いよね ページ42
〜カスミside〜
スミレの方は大丈夫だろうか…。
ユキナリ「あ、あのカスミさん。もう大丈夫だよ」
カスミ「そうですか。では、無理のない範囲で話していただけますか？」
ユキナリ「うん。目が覚めて、トイレに行こうとしてたんだ。そしたら後ろから足音が聞こえて…」
カスミ「フムフム、それで？」
ユキナリ「狼の仮面を被った人がいて、襲われそうになったから早く逃げなきゃって思って、冷蔵庫の中に入って大声で叫んだんだよ。そしたらカスミさんとスミレさんがきたんだ」
カスミ「そして今に至るということでいいんですね？」
ユキナリ「うん」
カスミ「何か覚えている特徴とかはないですか？」
ユキナリ「う〜ん…ごめんね。突然だったから詳しく覚えてないんだ」
カスミ「全然問題無いですよ」
ユキナリ「あっ！そういえば凶器を左手で持ってた気がする」
カスミ「なるほど、ご協力ありがとうございます」
まぁ今回の狼は誰かもう知ってるんだけどね。
でも本気で殺そうとしてるとは…。ユキナリを部屋まで送ってから探すか。
カスミ「狼がまだ近くにいる可能性が高いので僕が部屋までお送りしますよ」
ユキナリ「え？カスミさんは大丈夫なの？」
カスミ「大丈夫ですよ。それに僕はスミレを待たないといけないので」
ユキナリ「そっか…それじゃあ、お言葉に甘えようかな」
そうして僕はユキナリさんを無事に送り終わり、キッチンに戻っている途中のことだった。
カスミ「あれ…は、タクヤさんなのかな？」
「タクヤさんどうした-！右に避けてください！」
(ガッ ←棚を蹴る音
かつて棚を蹴ってよかったと思ったことはあっただろうか。
そんなことより、どうやらこちらから探しに行く手間が省けたらしい。
タクヤ「悪い。助かった」
カスミ「タクヤさんは先に逃げていてください。僕は用事があるので」
タクヤ「はぁ？！なんで！」
カスミ「いいから早く！！」
そう言ってタクヤさんの背中を押す。
タクヤ「あ"ぁ"〜わかったよ！絶対に死ぬなよな！」
カスミ「はい！」
リンタロウ「やっぱり君は止めにくるんだね」
カスミ「もちろん。君が狼だって知ってるからね」
リンタロウ「…君たちを信じてもいい？」
カスミ「君がいいと思ったのならね。もしそうなら、僕は君の期待に応えるよ」
リンタロウ「君たちを信じるから。絶対に応えてね」
カスミ「承知したよ」
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作者名：レド | 作成日時：2023年3月6日 22時
