36話 虚無感に襲われる ページ38
〜カスミside〜
カスミ「う〜む…なんもしたくない」
でも何もしないのはな…。…あ、そうだ！読書をしよう。
−図書室−
カスミ「…先客がいますね。こんにちは」
オサム「おや、こんにちは。カスミさんも読書をしにきたんですか」
カスミ「はい、そうです」
あ、ここにもこの本があるんだ。久しぶりにまた読もうかな。でも、この本と同じ状況とは思わなかったな。
オサム「カスミさんは日頃からよく読んでいるんですか？」
カスミ「そうですね、時間に余裕がある時はよく読んでいますよ」
「オサムさんはどんな本を読んでるんですか？」
取れない。もう少しなのに…身長が足りない。こういう時困るんだよなー。脚立も見当たらないし。
オサム「なんでも読みますが…しいて言うならミステリー系が多いですね」
カスミ「僕もミステリー系の本は好きですよ。どの本でもいえますが、その世界観に浸ることができて、自分にあった本を見つけた時はやはり嬉しいですから」(スッ
オサム「はい、どうぞ。これであってますか？」
カスミ「あ、ありがとうございます」
身長高くていいな〜。さりげなく取って渡してくれるなんてカッコいい！今のは人生で１度はやってみたいな。
オサム「どういたしまして。…見かけによらず意外ですね」
カスミ「このタイトルがタイトルですからね。…悪趣味だと思いましたか？」
オサム「いえ、そんなことないですよ」
カスミ「オサムさんは読んだことありますか？」
オサム「ありますよ。カスミさんは？」
カスミ「何度か読んでいます。結構気に入ってるんですよ」
オサム「まあ、個人的に子供相手には読む人を選ぶ本だとは思いますが」
カスミ「そうですね。…この本から参考になりそうなことがないかもう一度読んで見ます」
この後、お互いにオススメの本を紹介しあったり、本を読んだりした。
そしてオサムさんが小説を書いているということがわかり、ここから脱出したら読ませてもらう約束をした。
カスミ「ん、もうこんな時間か…」
右腕の時計の針は午後7時をすぎていた。
カスミ「オサムさんありがとうございました。また本を紹介してもらってもいいですか？」
オサム「構いませんよ。その時はぜひ感想も聞かせてください」
カスミ「わかりました！では失礼します」
カスミ「あ…いや、また今度でいいか」
オサムさんに聞きたいことがあったけれど、もう少し親しくなってからにしよう。
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作者名：レド | 作成日時：2023年3月6日 22時
