北一出身の白鳥沢男子

18球目 ページ19

｢.......すみません！｣

　全てのプレーは繋がっている、か。確かに、レシーブになった瞬間、守りだけを意識しすぎて、ブロックほど相手のことを見ていなかった。

天｢海麗、どんどん成長してるネ〜。頼もしいヨ｣



赤葦side

　相手の1年、海麗さんの雰囲気が、監督に怒鳴られてから一気に変わった。ネット際で観察されていた、あの感じに凄く似ている。

｢ﾁｯ厄介だな.......｣

兎｢なにが、なにが！厄介だって？｣

｢うるさいです木兎さん。ほら、サーブ来ますよ｣

　うるさいエースをなだめてから、構える。サーバーは海麗さんか。今試合初のサーブ。どんなものが来るか、全く予想つかない。

ピーッ！

｢ジャンプサーブ！｣

1年でジャンプサーブか。すごい。

｢木兎さん！｣

しかも、木兎さんを狙ってくる。上手いな.......。

木｢赤葦！｣

｢木葉さん！｣

　木葉さんが打ったスパイクは相手の居ないスペースに綺麗に打ち込まれた。.......はずだった。

加｢よっし！｣
　
　海麗が飛び込んできた。あいつ、さっきまでブロックカバーに行っていたはずだけど.......。

白｢ナイス！｣

大｢ラスト寄こせ！｣

　相手スパイカーのアタックがこちらのコートに突き刺さる。

｢はぁ.......｣

木｢あの1年、上手いな.......｣

猿｢さっきまではあんなグダグダだったのにな｣

｢元々のセンスがあるんでしょうね。それを上手く使えていなかっただけ｣

非常に厄介だ。

19球目→←17球目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す