【金カム夢】雪に拐かされ…２ (ページ1)

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鍋を囲む食事時ページ1

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家永殿と一緒に準備した鍋を机に運び、お祖父様達へと鍋を装って渡せば家永殿の説明が始まった。

家永「“なんこ鍋”でございます。
夕張を含む空知地方の郷土料理で炭鉱夫の間で広まったらしいです。
腸を味噌で煮込んだ所謂(いわゆる)モツ煮ですね。」

白石「オイ家永、この肉…大丈夫なヤツだろうな？」

家永「ご安心下さい。“なんこ”とは方言で馬の腸と言う意味ですから、馬のものを使ってます。」

『私も一緒に調理しましたが、特に変なものは無かったと思います。』

家永殿の言葉にキロランケ殿が盛大に吹いていた。

杉元「………あんた等その顔ぶれでよく手が組めてるな。
特にそこの鶴見中尉の手下だった男とAさん…一度寝返った奴はまた寝返るぜ。」

尾形「杉元…お前には殺されかけたが俺は根に持つ性格じゃねえ。
でも今のは傷付いたよ。」

『…尾形さんを悪く言わないで下さい。怒りますよ。』

杉元「おたま持って怒られても怖かねえよ。」

尾形さんを庇うように私は二人の間に入り、キッと不死身の杉元を睨んだが真顔で返された。

白石「食事中にケンカすんなよ」

他の人がシーンと静まり返ったのが気まずかったのか白石由竹がそう声だけで仲裁に入った。

土方「いずれにせよ。坑内に月島軍曹の死体が無いか確認するまでは夕張から動けんが、死体が無ければ絶対に判別方法を見つけなくてはならなくなる。」

『その事ですが、お祖父様
月島軍曹殿は生きていると思います。実際に見た訳では無く私の勘ですが、あの人の鶴見中尉殿に関する忠誠心は本物です。必ず生きて鶴見中尉殿の元に戻るかと…
偽物の刺青人皮がここで作られたのであれば使用された材料が判別する題材にはなりませんか？』

土方「…憶測だけで物事を決め付けるのは良くない。A、覚えておきなさい。」

『申し訳ありませんでした。』

私の勘は当たる。でも、それは憶測の域を出ないのも確かだ。お祖父様に軽く怒られてしゅん…としょぼくれた私を見て尾形さんが空になった器を渡してきた。

尾形「おかわり…」

『！はい！』

尾形さんにご飯を装って渡す時にお祖父様は再び口を開いた。

土方「しかし、Aの意見にも一概に否定出来ないのも確かだ。月島軍曹の生存確認と建物内の捜索に二手に別れる事にする。」

『！ありがとうございます。お祖父様』

お祖父様の言葉が嬉しくて思わず私は微笑みを浮かべていた。

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