【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ7)

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第七師団での立場ページ7

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浩平「本当に食い気にしか興味ないよな」

洋平「本当に色気より食い気、色気より殺気だもんな」

谷垣一等卒と私の会話を聞いていた二階堂兄弟がくすくすと笑いながらそんな事を話していた。

宇佐美「そうやって直ぐに男に媚を売るのは女の性か…」

『あﾞ？何？そんなに寝首掻かれたいの？何なら今直ぐ処してやるよ…』

再び宇佐美上等兵の言葉に敬語も冷静さも欠いた私は腰にある銃剣に手を伸ばす。

月島「そこまでです。宇佐美上等兵はそれ以上藤見を揶揄わないで下さい。藤見も銃剣から手を離しなさい。」

宇佐美「はぁ…ちょっと揶揄っただけなのに…分かりました。」

『……』

月島軍曹の言葉にやれやれと言う態度を取りながら宇佐美上等兵は返事をしたが、私は直ぐに返事ができなかった。

月島「…藤見？」

『…分かりました。』

月島軍曹に睨まれ、渋々銃剣の柄から手を離した。

側から見れば怒られてしょぼくれた犬のように見えていただろう。

洋平「怒られたね」

浩平「怒られた」

『二階堂一等卒殿方、聞こえてますよ。どうせ私は食い気で短気です。』

少し離れた席でケタケタと笑う二階堂兄弟にむすっとした表情を向けながら私は拗ねた。

宇佐美「それよりさぁ…前から気になってたんだけど」

『……』

再び話しかけてくる宇佐美上等兵に「注意されたのにまだ何か？」と言いたげな視線を向ける。

宇佐美「何で毎回尾形の横に座るわけ？」

『はぁ？』

浩平「あ、それ俺も気になってた」

洋平「俺も、何で？」

宇佐美の言葉に同意の声を上げる二階堂兄弟に片眉を上げてため息を吐いた。

『…何故もどうしても、皆さんが尾形上等兵殿の横を空けてるからではないのですか？
私は空いてる席に着いているだけです。』

宇佐美「その割には尾形に懐いてるみたいだけど？
ねぇ、尾形」

宇佐美上等兵が尾形上等兵に同意を求めるように私の横に視線を向け訊ねた。

尾形「さぁ？俺には何の事だが見当がつきませんね。」

『宇佐美上等兵殿、難癖付けて絡んで来んな。尾形上等兵殿のように優しさを覚えたらどうです？』

宇佐美「は？尾形が優しい？」

私の言葉にそこにいた全員の頭の上に？が浮かんでいた。

月島(優しい尾形上等兵…？)

洋平(優しい？？)

浩平(誰が優しいって？？)

谷垣(尾形上等兵が優しい…？？)

その事に私は気付いていなかった。

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