【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ45)

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選択ページ45

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「で、何でか知らないけど…普段から模範囚で大人しい土方がそのじいさんを一回だけぶん殴った事があるんだ。あの時だけはビビったなぁ。その時の顔が鬼の副長って言われてるのを納得するくらいの迫力で怖かったぜ。
って、あれ？Aちゃん？顔真っ青だけど大丈夫？」

そのおじいさんが誰か分からないけど、私は凄く不安になった。心臓がどくどくとうるさくて、息が苦しかった。

不意にたまに見る夢を思い出した。

暗い部屋の中、誰かの荒い息遣いだけが耳元で聴こえる。
目が覚めると冷や汗でベトベトになっている。

「君菊…可愛い私の君菊…」

夢の中でそんな声を聴いた気がした。

ーーーーー

ㇼパ「私の父は……！！」
土方「手を組むか、この場で殺し合うか…選べ」

気が付くといつの間にか殺伐とした雰囲気でお祖父様が刀の鯉口を切ろうとしている所だった。

永倉「刺青人皮を持っているなら我々が買い取ろう。一緒に国を憂いてくれとは言わん。
刺青を売った金で故郷に帰り嫁さんでももらって静かに暮らせる道もあるが、若いもんにはつまらん道に聞こえるかね？」

永倉殿も姿を現した。
どうやら、お祖父様陣営は全員この建物に集まっているようだった。

杉元「のっぺらぼうに会いに行って確かめたい事がある。
それまでは金塊が見つかってもらっちゃ困る。」

ピリピリとした空気の中である一人の腹の虫が鳴り出した。その人物は真剣な表情で話を聴きながら腹の虫が騒いでいる。

牛山「会いに行くだって？」

杉元「なあに？！コロコロって！！」

不死身の杉元の言葉にアシㇼパが申し訳無さそうな顔をした。腹の虫の犯人はアシㇼパだ。

家永「私が何か作りましょうか」

杉元「家永生きてた！！」

永倉殿の背後からひょっこり現れた家永殿に不死身の杉元は驚いた声を上げた。

家永「お話の続きは食事の席でされては如何でしょうか…」

『私も手伝います。』

家永「あら、ではお願いしようかしら」

私の申し出に笑顔で返事をする家永殿に着いて台所へと向かった。

家永「では、野菜を切ってもらいましょうか
その間に私は鍋の用意をしますね」

『了解致しました』

私が野菜を切っていると視線を感じた。それは家永殿の視線でチラッと私も視線を向けると目が合った。

家永「何か、あちらには居づらい事でもありました？」

『え…』

家永「私にはそう見えたので」

優しく微笑みながら言う家永殿に私は黙った。

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