【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ35)

今日:65 hit、昨日:22 hit、合計:21,475 hit

家族ページ35

.

私はお祖父様からの質問に何でも答えた。

土方「君菊は息災か」

『…いえ、お祖母様は私が七つの時に亡くなりました。』

お祖父様の質問に少し目を逸らして答えるとお祖父様の表情も少し暗くなった。

土方「…お前の母親は」

『お母様の名前は朝菊(あさぎく)です！
お祖母様がお祖父様に会えばきっと笑うだろうって言ってました！』

土方「朝菊……アサギ…そうか。ハハハ、そうだな。
その名を付けるとは実に君菊らしい」

『……』

笑うお祖父様の顔がお母様と似ていると思った。
お祖母様が良く口にしていた言葉「朝菊はあの人に良く似ているわ」お母様はお祖父様似だったんだと分かった。

土方「お前は君菊に良く似ているな。
銀行の前で会った時、君菊が会いに来たのかと思った程に…」

『…お祖父様に見付けてもらう為の目印ですね！』

お祖父様が私に向ける目には懐かしさと寂しさが入り混じった色が浮かんでいた。
頭を撫でながらそう言うお祖父様に私は精一杯の笑顔で元気にそう答えた。

ーーーーー

「まさか土方さんと君菊さんとの子がいて孫までいるとは…」

お祖父様と一緒にいたこのお爺さんは永倉新八、お祖父様と同じ新選組の隊長だった人だ。

『お祖母様から永倉殿の事も聞き及んでおります！
何でも遊女に弄ばれて身請け話が上がった事があるとか…』

永倉「うﾞ…その話を知っているのは新選組の極一部の者と君菊さんだけ……」

永倉殿は隠し事がバレてバツが悪そうな表情をし、それを見たお祖父様が笑っていた。

「土方さんのお孫さん…凛として芯のある美しさだなぁ」

お茶の準備をしながらこちらをチラッと見てはそう呟いた彼は奥山夏太郎…実は、茨戸での抗争で毒針を打とうとした人だった。これはそっと胸の内に秘めておこう。

「美人だ…じいさんの孫じゃなければ口説いたんだけどなぁ…」

この人は牛山辰馬、お祖父様と同じ刺青囚人でお祖父様と手を組んでいるらしい。
チラッとお祖父様に視線を向けた牛山殿だったが、お祖父様の笑っていない目に視線を逸らしていた。

「若い肌…綺麗な目…欲しい」

土方「家永、私の孫はそう易々とお前の手には入らんぞ。」

たくさんの包帯が巻かれた女性…？家永カノ、お祖父様曰く「そう歳の変わらないジジイ」との事。人は見た目では分からないと実感しました。

.