【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ34)

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再会ページ34

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煙が漂う番屋倉庫で尾形上等兵が座っている横で私は背筋を伸ばし立って待っていると、お祖父様とお爺さんがやって来た。

尾形「どんなもんだい。」

「ヤレヤレ…番屋に放火して女将に出させる方法はイチかバチかで考えてはいた。
ただ、一つ狂えば刺青人皮が燃えてしまう危険な方法だからな。
馬じゃなく私の頭を撃ち抜く事も出来た筈だ…何が狙いだ？」

お爺さんの細い目から鋭い眼光が見えた。
背筋に嫌な汗が伝うのを感じながらゴクリと息を呑み私は様子を伺う事しか出来なかった。

お祖父様の視線が尾形上等兵から一瞬だけ、私に向けられた気がした。

尾形「茨戸まで来たのは刺青の噂を偶然耳にしたからなんだがね。床屋の前でアンタ等を見てすぐ分かった。
俺は情報将校である鶴見中尉の下で動いていたからよく知ってるぜ。

土方歳三さん

腕の立つ用心棒は要らねえかい。」

尾形上等兵の売り込みの言葉にお爺さんがため息を吐いた。

「そちらのお嬢さんはどうなんだ？」

お爺さんの言葉に尾形上等兵は「何か言ってやれ」と言うような目を向けてきたので私は口を開いた。

『お初にお目に掛かります。私は＿』

土方「君菊の孫か。よく似ている。
それに初では無い。銀行の前で会ったな。」

『ｯ…はい、お祖父様…』

私の言葉を遮り、発せられたお祖父様の言葉に胸が詰まる思いだった。
お祖父様は私が君菊お祖母様の孫でお祖父様と血の繋がりがある事に気付いていたのだ。

『お祖父様も…生きていて下さりありがとうございますｯ』

戦争で死んだと思っていたお祖父様が生きていた事実に私は思わず目頭が熱くなり、ポロリと涙が零れ落ちた。

尾形「…は？」
「え？！」

私達の言動に尾形上等兵とお爺さんは目を見開き、驚きの表情を浮かべて素っ頓狂な声が出ていた。

土方「この子は私と君菊の間に出来た子の娘だ。」

『藤見Aです…よろしくお願いしますｯ…お祖父様ｯ』

涙を拭い、ニコッと笑えばお祖父様も目を細めて笑った。

ーーーーー

火の手が回り煙が立ち込めて来たのでこれ以上の話はお祖父様達の隠れ家ですると言う事で移動する事になった。

その道中私は今までの事をお祖父様に話した。

ロシア兵の奴隷になった事
両親と兄が死んだ事
ロシア兵を殺して逃げた事
鶴見中尉に助けられた事
全ての元凶の叔父を殺した事

お祖父様は私の話を最後まで聞くと「良く耐えた」と頭を撫でてくれた。

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