【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ29)

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邂逅ページ29

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署長「まさかもう日泥に囲われてないだろうな。見かけたら署に来るように伝えろ。」

目の前のケツアゴ署長殿は店長に高圧的で店長も萎縮しているようだった。

署長「そこのチンピラと連れの女も初めて見る顔だな？
俺の宿場町に来たばっかりなら悪いことは言わん馬吉の所へいけ。
日泥の用心棒に混ざっているのを見つけたらタダじゃおかんぞ。」

ケツアゴ署長殿の言葉に私はムッとしたが、尾形上等兵を見るとニッコリと笑みを浮かべていたのでカットクロスの下でひっそりといつでも行動が出来るように銃剣を握った。

ブスッジョギッ

尾形上等兵はいつの間にか理髪店のハサミを手にしてケツアゴ署長殿の顎の溝を深め、今の今まで忘れ去られていたカットクロスを脱いだ。

思わず拍手を送る。

「北鎮部隊！？」

尾形「ケツアゴ署長に聞きたい事がある。」

ーーーーー

顔を腫らしたケツアゴ署長殿の頭を鷲掴みにして尾形上等兵は理髪店から出た。

私は店長にしっかりお会計のお金を渡してました。
いい仕事して下さいましたから！

お会計を済まして出ようとした時…

ドンッカァァアン

ジャキッドンッカァァァン

尾形上等兵の持つ銃声と鐘の音が響いた。

尾形上等兵はそのまま馬吉の案内で何処かに向かう…私は少し別行動する事にした。

…そこにお祖父様がいるなら、今理髪店から出てはいけない気がしたから……

うん。情報収集って奴だ。

お祖父様の声ともう一人のお爺さんの声、そしておそらく日泥って人の声が聞こえて来た。

どうやら身重の妾を安全な場所に移動させるとの事。
刺青人皮は日泥が保持、それも母親が隠していると…
しかも妾の子供が息子の子で、父親は種無し…母親は別の男との間に…この辺は別に要らない情報かな。
一応、尾形上等兵に報告しておこう。
どんな情報も使い方次第だ。

三人が去ったのを確認してから私は尾形上等兵を追いかけた。

ーーーーー

馬吉のニシン番屋だと言われる場所付近で尾形上等兵を発見して駆け寄る。

『尾形上等兵殿！先程入手した情報で＿＿…』

私はついさっきの情報を尾形上等兵に話した。

尾形「成程な。妾の腹の子が孫なら動くかも知れん。
おい、妾の家に案内しろ。」

私が得た情報を聞き尾形上等兵は口元を緩めた。
そして、ポンッと私の頭を軽く撫でると既に馬吉から色々と聞いていた尾形上等兵は馬吉に妾の家へと案内を指示した。

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