【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ19)

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疑問ページ19

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女の私の力では振り切られるかも知れないと、自ら進んで手伝ってくれた第七師団の方達ににこやかにお礼を述べると照れた様な顔で息巻く様に返事が返って来た。

「そ、それでは、我々は扉の前で見張ってますので安心して下さい！」

『はい、ありがとうございます』

パタン、と扉が閉まり不死身の杉元と二人だけの空間になる。

椅子に縛り付けられ大人しい様子に「何か策を講じているのだろう」と思いながら一歩近付いた。

『不死身の杉元殿、私は貴方に問いたい。』

杉元「…は？何…？」

不機嫌そうな声で返事が来る。

『貴方は惚れた女がいると言ってました。
その女と貴方のどちらかが死ななければならない状況下なら貴方は…その女の為なら死ぬ事も厭(いと)わないのですか？』

杉元「…何言ってんだか…」

『私は真剣に聞いています。もし、もしも……そんな状況下に遭ったならば…貴方はその女の手を取り、自らの首に刃を刺しますか？』

きっと私はあの時から囚われている。あの時間から動けないでいる。誰かに答えを求めていた。
でも、第七師団の人には聞けないと思っていた。
本能か…理性か…この人達じゃ私の得たい答えは持ち合わせていない気がした。

そんな時に不死身の杉元に出会った。

私の問いに不死身の杉元の目が見開かれた。

杉元「…何でそんな事聞くんだ？」

『…私は知りたいんです。
愛していれば、その人の為に自分の命を犠牲にしてまで生かしたいかを………もし、それでも生かしたいと言うのであれば、生かされた者はどうしたら良いですか？』

ポタリ、と私の頬から涙が伝い落ちた。
いつの間にか感情的になって私は涙を流していた。

兄の死、両親の死、同じ境遇の子達の死…そして、戦場で殺して来た人達の死

その目で見て来た出来事が私にまとわりついて、離れない。

両親の言葉が呪いの様に頭の中で繰り返される。

愛しているわ
強く生きておくれ

愛したら、その人の為に死ななければならない
私は両親の分まで生きなければならない
つまり…私は愛してはいけないんだ。

『私は……どうしたら良いですか？』

杉元「アンタ……」

そんな時、扉の外が騒がしくなり私は涙を拭い平静を装い扉の外に声をかけた。

『どうかしましたか？』

「えっと、その…」

二階堂「良いから部屋に入れろ」

しどろもどろした声と二階堂一等卒の声が聞こえた。

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