【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ18)

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勧誘ページ18

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先程の気迫から一変して鶴見中尉は落ち着いて椅子に座っては宥める様に言葉を紡ぐ。

鶴見「この場を生き延びる方法が一つだけある。
私の下に付くことだ。
私は部下を戦争でたくさん失った。人手が足りん。
１００名弱の人員が北海道各地に散らばり活動しているに過ぎない。」

杉元「金塊を山分けするにはお仲間が多過ぎやしないかい？」

最もな疑問だろう。
普通に考えれば金塊を自分の物に、と考える。でも…鶴見中尉殿は……

鶴見「金塊は軍資金だ。
旭川からちょろまかした武器弾薬では心許ない。」

杉元「あんた等いったい何をする気だ？」

鶴見「アメリカ人から武器を買う。世界中から集めた最新式だ。
手始めに第七師団を乗っ取り…本州に送る天然資源の通り道である主要な港町を制圧、北海道を手に入れる。
戦場では英雄だったのに故郷(くに)へ帰れば放浪生活。
何か報われたか？
失ったものの方が多くはないか？
私はお前のように勇猛な兵士が欲しい。我々と共に戦ってくれ。」

相手を自らの懐へと導くその話術に最近の私は恐怖を感じている。
感謝している、恩を返したいと思っている、だけど……貼り付けた笑顔が崩れそうだった。

杉元「付き合ってられん。」

鶴見「ロウソク、ボリボリしちゃおうか。」

不死身の杉元は鶴見中尉の言葉に惑わされなかった。
信念なのか、はたまた元々相容れぬ性分かは分からないけれど、彼は鶴見中尉の提案を蹴った。

鶴見「藤見、杉元の見張りに君をつける。」

『はい！了解致しました。』

突然の指名にドキッとしたが不死身の杉元の見張りに身を引き締め敬礼した。

杉元「藤見…もしかしてその人じゃないの？ほら“ふじみ”って…」

鶴見「残念ながら藤見ではあの傷を作る事は出来ない。
男なら可能性は少しはあるかも知れんが…女では到底無理な話だ。」

杉元「！女…」

『はい、お久しぶりですね(・・・・・・・・)。不死身の杉元殿。』

食いつくであろうと分かり切っていた。
だからか、鶴見中尉も不死身の杉元の言葉に被せる様に否定した。
そして、私は外套を脱ぎ素顔を晒せば私の顔を見て不死身の杉元の瞳孔が僅かに動いた。

どうやら、彼は私の顔を覚えていた様だ。
それもそうか。私はあの時外套を脱ぎ捨てたから…

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『連行して頂きありがとうございます』

「ぃ、いえ！これくらい我々にお任せ下さい！」

不死身の杉元を拘留する為の部屋に移動する。

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