【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ13)

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傷跡ページ13

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銃が頭に直撃し、尾形上等兵は雪の斜面を滑って行く。

『その先は崖！？』

グシャッ

嫌な音が聞こえる。
一瞬にして私の頭の中は真っ白になった。

ドボォン

『ｯ…尾形上等兵殿！！』

息が詰まるかと思った。
水に落ちる音を聞き、私は外套を投げ捨てて無我夢中で崖から川に向かって飛び込んだ。

ドバァン

杉元「…！？今のは女？…いや、女の子？」

飛び込む瞬間の焦った様子の私の横顔を不死身の杉元と女の子が見ていた。

杉元「確かに蹴った時、やけに軽いとは思ったけど……え、俺…女の子のお腹蹴ったの！？」

「杉元…」

杉元「やだぁ！？そんな目で俺を見ないでアシㇼパさんｯ！！」

女の子を蹴ってしまったと言う事実におどおどする杉元をじっとりとした目で見るアシㇼパがそこにいた。

ーーーーー

ザブザブ

奴隷時代の時にロシア兵に無意味に寒中水泳を何度もさせられた。
悴(かじか)む指先…足の先の感覚も馬鹿になって来てるのを感じる。
だけど、その時の訓練のおかげで普通の人よりも寒さに強くなった。

…まだ、動ける。

『尾形上等兵殿ｯ…意識はありますかｯ？』

尾形「…ｯふぅ…あぁ……」

片腕が折れ、顔が腫れた尾形上等兵からの返事に少し安堵した。
尾形上等兵を担いで何とか岸に上がり、火をつける為に木を集め、弾薬盒の中に入れていた火打石で何とか火を着ける。
暖を取るのに周りに囲いを作る為に葉のついた枝を探している時にザッと複数人の足音を聞き身構えたが…

「…お前は、藤見？」

『ｯ…第七、師団の…』

その複数人が第七師団だった事が分かり、力が抜けてその場にへたり込んだ。

「おい！」

『あっ、ちにｯ…尾形上等兵、殿が……低体温ｯ…怪我ｯが……早く…お願い、します…………ふじ、みの…ぉ』

駆け寄って来た人に肩を抱えられる。
誰か何て確認してる暇は無い、尾形上等兵の安否が先だ。だけど、第七師団と合流した事に安心して身体が寒さで震えだし、意識を手放した。

ーーーーー

私が目を覚ましたのは三日後だった。
尾形上等兵も私も低体温症になる一歩手前だったらしい。

目を覚ますと同時に私は尾形上等兵の容体を聞き、病室に駆け出そうとしたが医者に止められた。

どうやらお腹を蹴られた事で内臓が幾つか傷付いてしまったらしい。

手術はしたものの安静を言い渡された。

ベッドの上で落ち着かないでいると鶴見中尉がやって来た。

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