【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ11)

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刺青囚人争奪戦ページ11

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樹に銃剣を突き立て狙撃の準備をする尾形上等兵を見て、私は視線を刺青囚人とその他二人へと視線を向けた。

３００mそこそこ離れた距離では何を話しているのかは分からない。
だけど、囚人は上半身を脱がされて縛られている…おそらく刺青を描き写しているのだろう。

バーンッ

『額に命中』

尾形「よし、回収に向かうぞ」

『待って下さい。』

囚人の頭に尾形上等兵の狙撃が見事命中したのを確認するも向かおうとする尾形上等兵を制した。
それと同時にターンターンと連続して銃声が辺りに響き渡った。

尾形「兵士を殺して奪った二十六年式拳銃か」

『煙幕…
銃声聴いただけで種類判別出来るのも凄い能力だと思います。』

尾形「そうか。ありがとうよ。
生木を焚べたか…行くぞ。」

『はい！』

視線を真っ直ぐ目指す方向から逸らさず真顔で私達は会話をすれば三人が居た辺りが白い煙に覆われ駆け出した。

尾形「おい、外套を目深く被っとけ…女だって手加減されるのは嫌だろ。」

『！はい…』

尾形上等兵の気遣いに思わず嬉しくて口角があがる。
外套を深く被り直し、緩んだ頬がバレるのが恥ずかしいので辺りの木を見渡した。

『…この辺りの木はしっかりしているので私は上から行きます。』

尾形「は、何言って…猿かよ。」

ぴょんと木に飛び乗り、次々と木から木へ飛び移る私を見て尾形上等兵は呆れた声色でそう溢していた。

そして、頭を撃ち抜かれた刺青囚人の死体の元に辿り着く。

『追いますか？』

尾形「当たり前だ。」

死体と焚火の周りには大小二人分の足跡が残されていた。

『大柄の男性と小柄な女か子供か…』

私が足跡の確認をしている間に尾形上等兵は倒れた木の下を潜ろうと銃剣の先で木から垂れている草を掻き分けた。

『！待って下さい！そこは…』

ﾊﾟｷｯシュバッバヒュッ

尾形「なんだぁ！」

『仕掛け罠！？』

尾形上等兵の銃が一瞬にして絡め取られ上空へと跳ね上がって行った。

『！！右手方向から襲撃来ます！！』

尾形「！！」

飛び出して来た顔に傷のある大柄な男が大振りに銃を振り切ったと思ったら尾形上等兵が男に突進して相手の男の腰にあった銃剣を奪い反撃に移るも銃で受け止められた。

そして、一瞬でボルトを引き抜く早業に思わず見惚れてしまった。

それを知らずに相手の男は距離を取り銃を構え直した。

「動くと撃つ！！」

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