検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:27,968 hit

chapter:36 ページ36

先:「念のため、1日入院した方が良いそうだ。香坂の親御さんに連絡してくるから、長谷川暫く香坂を頼むな」

『はい』

先生はそう告げると、病室から出て行った。

『……』

(レトくんは、倒れる前に確かに言ってた…)




レ:「……小さい頃、同じ事があった…誰かの切ない顔…倒れる…動かない…」


レ:「!!ごめん…俺のせいで…俺が、…ったから…消え…」


レ:「……A、ちゃん…ごめ、ん…」



Aは倒れる前のレトの言葉を思い出していた。


『……』

キ:「レト!!」

Aが思いふけっていると、病室の扉が開いた。

『キヨくん…と、部長さん?』

部:「はーっ…やっと着いた…」

部長はヘニャッとしゃがみ、キヨはレトへと駆け寄る。

キ:「レト!!おい、しっかりしろ!!」

部:「キヨ、お前も足怪我してんだから…香坂も眠ってるだけみてえだし、静かにしてやれよ。俺、松葉杖借りてくるから」

部長はフーッと一息を入れた後、病室を出て行った。

キ:「………」

『………』

3人になった病室に静寂が起こった。

キ:「…レトは…」

『お医者さんが暑さにやられたんじゃないかって…』

キ:「そうじゃねえよ!レトに…何したんだよ…!!」

キヨはAに怒りをぶつける。

『私にも分からない。でも…』

キ:「…」

『キヨくんが倒れた時から、レトくんグラウンドにずっといたの。普段のレトくんならキヨくんを心配して一緒に来るのに…』

レトをチラリと見るA。

『キヨくんっていう大切な友達が倒れた事に、凄くショックを受けてた』

キ:「……」

キヨはレトを見ながら、ただAの話を聞いていた。

『レトくんが倒れる前に言ってたの。“小さい頃、同じ事があった…誰かの切ない顔…倒れる…動かない”“Aちゃん、ごめん”って』

キ:「前に公園で話してた時も、レトは長谷川を見て言ってたよな。レトは覚えてなかったみてえだけど」

『小さい頃、レトくんとAちゃんとの間に何かあったのかな…』

キヨはその言葉を聞いて、ハッとする。

『キヨくん、何か心当たりあるの…?』

キ:「……ねえよ、別に」

『前に聞いたよね、キヨくんが隠してるレトくんの記憶の事』

キ:「……」

『その時、キヨくんは私はAちゃんじゃないから答えないって』

キ:「……」

『教えて欲しいの』

キ:「……」

キヨはAの質問に何も答えないでいると、Aは何かを決意したかのようにキヨに言葉を掛けた。

chapter:37→←chapter:35



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
23人がお気に入り
設定タグ:レトルト , キヨ , 切甘   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
- 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。