chapter:36 ページ36
先:「念のため、1日入院した方が良いそうだ。香坂の親御さんに連絡してくるから、長谷川暫く香坂を頼むな」
『はい』
先生はそう告げると、病室から出て行った。
『……』
(レトくんは、倒れる前に確かに言ってた…)
レ:「……小さい頃、同じ事があった…誰かの切ない顔…倒れる…動かない…」
レ:「!!ごめん…俺のせいで…俺が、…ったから…消え…」
レ:「……A、ちゃん…ごめ、ん…」
Aは倒れる前のレトの言葉を思い出していた。
『……』
キ:「レト!!」
Aが思いふけっていると、病室の扉が開いた。
『キヨくん…と、部長さん?』
部:「はーっ…やっと着いた…」
部長はヘニャッとしゃがみ、キヨはレトへと駆け寄る。
キ:「レト!!おい、しっかりしろ!!」
部:「キヨ、お前も足怪我してんだから…香坂も眠ってるだけみてえだし、静かにしてやれよ。俺、松葉杖借りてくるから」
部長はフーッと一息を入れた後、病室を出て行った。
キ:「………」
『………』
3人になった病室に静寂が起こった。
キ:「…レトは…」
『お医者さんが暑さにやられたんじゃないかって…』
キ:「そうじゃねえよ!レトに…何したんだよ…!!」
キヨはAに怒りをぶつける。
『私にも分からない。でも…』
キ:「…」
『キヨくんが倒れた時から、レトくんグラウンドにずっといたの。普段のレトくんならキヨくんを心配して一緒に来るのに…』
レトをチラリと見るA。
『キヨくんっていう大切な友達が倒れた事に、凄くショックを受けてた』
キ:「……」
キヨはレトを見ながら、ただAの話を聞いていた。
『レトくんが倒れる前に言ってたの。“小さい頃、同じ事があった…誰かの切ない顔…倒れる…動かない”“Aちゃん、ごめん”って』
キ:「前に公園で話してた時も、レトは長谷川を見て言ってたよな。レトは覚えてなかったみてえだけど」
『小さい頃、レトくんとAちゃんとの間に何かあったのかな…』
キヨはその言葉を聞いて、ハッとする。
『キヨくん、何か心当たりあるの…?』
キ:「……ねえよ、別に」
『前に聞いたよね、キヨくんが隠してるレトくんの記憶の事』
キ:「……」
『その時、キヨくんは私はAちゃんじゃないから答えないって』
キ:「……」
『教えて欲しいの』
キ:「……」
キヨはAの質問に何も答えないでいると、Aは何かを決意したかのようにキヨに言葉を掛けた。
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香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時