chapter:19 ページ19
キ:「……そうだったんだな」
『………』
キ:「他に何か思い出したのか?」
レ:「いや、ここで終わったんよ。後は分からへん」
レトはそう言って首を横に振る。
レ:「キヨ君の話は…?」
『レトくんが今話してくれてた所と同じくらいだったよ』
キ:「あれ以来俺はAとは会ってねえ」
『そうなんだ…』
レ:「俺…この先の事思い出そうとしても、今まで以上に思い出すの拒んでる感じがする。思い出しそうなのに、身体が拒絶してるっていうんかな…?」
レトは思い出そうとすると、キヨは首を振る。
キ:「レト、お前はもうこれ以上思い出すな」
レ:「キヨ君?な、何で…?」
キ:「俺はもう喋りたくねえし、これ以上は思い出して欲しくねえから」
Aはレトとキヨを見てニッコリ笑い、ベンチに座るレトの前に行ってしゃがみながらレトの手に手を置く。
『……レトくん、私も思い出さなくても良いと思う。レトくんとキヨくんの話を聞いて、2人からAちゃんの事聞いて、きっとAちゃんも2人との思い出大切にしてくれてると思う』
レ:「でも、俺…」
『レトくんの気持ち凄く分かるけど、キヨくんも私も今はレトくんが大事だから…ね』
悲しそうに微笑むAに、レトは一瞬誰かの顔とかぶって見えた。
レ:「Aちゃん…!!!」
レトはすぐさまギュッとAを抱き締め、Aはビックリする。
『レ、レトくん…?!』
キ:「お、おい…レト…?おまっ…こんな所で何してんだよ…!」
レトの行動にキヨも動揺し、1人あたふたしてしまう。
レ:「Aちゃん……ゴメン…俺のせいで…」
『レ、レトくん…?』
レ:「俺のせいで…Aちゃんが……!」
レトは記憶で混乱してるのか、ギュッとAを抱き締めながら話し出す。
キ:「レト!!」
キヨはレトの頭をポカッと叩くと、レトはハッとして意識を取り戻した。
レ:「いて!!キヨ君、何すんねん!」
キ:「何すんねんじゃねえよ!いつまでそうしてるつもりだっつーの」
レ:「へ?」
レトは状況を見て、顔を真っ赤にしてパッと手を離す。
レ:「長谷川さん、ホンマにホンマにごめんなさ〜〜〜〜〜い!!」
『えっ…だ、大丈夫だよ!ちょっとビックリしたけど…』
レトはほぼ土下座で謝り、Aは顔を隠しながら話す。
キ:「お前何か思い出したの?」
レ:「え?俺何か言ってたん?」
レトはきょとんとしていた。
キ:「覚えてねえの?」
レ:「長谷川さんの顔を見て…気付いたらあんな事に…」
23人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時