俊哉 10 ページ10
明日以降どうするか、を聞いたら
横山さん、ずっとうつむいてる
まずいこと聞いちゃったかな
でも現実問題かなり深刻な状態だと思うから
……よし
「彼氏役、やりましょうか？」
うつむいてた横山さんがバッと顔を上げて目を見開いてる
「あ、いや、横山さんに彼氏さんがいるなら申し訳ないんだけど…」
「いないですっっ！！！」
「あっ、ああ、そうなんだ」
「いっしょに！帰っていただけるんですか！！」
「うん、別に帰り道だし、あのコンビニ寄るし」
「あっ、ありがとうございます！！」
俺の腕にぎゅーっとしがみつきながら勢いよくお礼を言う
笑顔のような泣き顔のような
よっぽど不安だったんだろうな
「いつもあれくらいの時間に終わるの？」
「はい、そうです。」
「うん、それなら大丈夫、、、あっ、でも…」
「はい？」
「もし、遅くなっちゃう日があったら、連絡とかって…」
「はい、LINE交換しましょう！」
すぐにスマホを出して片手でバババっとLINEのQRコード画面を開く
早
若いからかな
立ち止まってお互いのスマホを近づけてLINEを登録する
「スタンプ送りますね」
横山さんから「よろしくお願いします！」とウサギのスタンプが送られてきた
「あっ、あそこのアパートです、古いんですけど…」
たしかに
古そうな二階建てのアパートが見える
「あそこの2階の奥から2番目です。」
玄関丸見えで当然オートロックも何もない
これは、女の子が一人暮らしなんて怖いだろうな
「ドアがちゃんと閉まるまでここにアパートの下にいるよ」
「ありがとうございます…。あの、宮田さん。」
「はい、なんですか？」
「宮田さんがお家に帰られたら連絡ください。心配なので。」
俺の心配してくれるんだ
「はい、わかりました。」
ぱああ、と音が聞こえるくらいの横山さんの笑顔
横山さんだって大変なのに
周りを見て誰もいないことを確認する
「今のうち、お家に入ってください。」
「…はい、宮田さんも、気をつけてくださいね。」
「はい、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
ぺこっとお辞儀をしてアパートの階段を登って部屋の鍵を開ける
こちらを見てまたお辞儀をして部屋に入りドアの鍵を閉める音が聞こえた
さ、帰ろ
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碧(プロフ) - 桃マスカット様、コメント励みになります|*´ ³`)ﾉ 続きもガンガン執筆中です！！ (5月23日 14時) (
レス) id: ef8ade943a (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - 今回のお話も楽しみにしてます(^ ^)優しい俊くんにキュンキュンしますね💜 (5月22日 9時) (レス) id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2022年12月21日 22時
