ナムさんヌナって呼んで『完結』 (ページ11)

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気力がないページ11

ヌナから連絡もなく、こちらからの連絡も取れない。
為す術なく時間だけが過ぎていく。

スケジュールは容赦なく入り、慌ただしく過ぎていくが、心にはぽっかりと穴が空いたままだ。

来月には海外スケジュールがあり、韓国をしばらく留守にする。

このまま会えないで終わるのだろうか？
さよならもしないで、理由も分からないまま別れて会えないのか？

もう訳が分からない。

作業室では1人だから、思う存分泣く事ができる。
ヌナを思い、ヌナの匂い、笑顔、ナムジュナと呼ぶ声を思い出しては泣いた。

そんな日々を過ごしていても、仕事の為に荷物をパッキングしていたりと、やるべき事はやっている。
習慣って言うのは恐ろしい。

飛行機はヌナを思い出させる。
こんな思いを抱えながら乗らなきゃ行けない日が来るとは思わなかった。

頭突きされた痛みが消えなければ良かったのにとさえ思えてくる。

ナムジュナと別れて、あれからは私は高城(コソン)に引っ越ししていた。
海辺の田舎町。
小さな会社で働きながら、海辺でのんびりと過ごす事が増えた。

趣味の海外での美術館巡りも、田舎町に引っ越してからは行ってない。
この町でひっそりと暮らして居たら、もうナムジュナと関わる事も一生ないと悲しくなりながらも、静かに過ごしている。
面白くもないが、退屈すぎない日を毎日なんとかやり過ごしている。